時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

民主党の内需拡大は第二の鎖国?

 民主党政権の経済政策の基本路線とは、内需拡大と生活重視とのことです。しかしながら、国民の多くは、この政策によって、日本国の経済が回復するとは信じていないのではないでしょうか。

 内需拡大の具体的な内容とは、輸出志向をやめて国内産業や消費を増やす、つまり、グローバル市場を相手とした製造業の国際競争から降りて、介護や福祉といったサービス産業や農林業を育てるということのようです。しかしながら、日本国経済は、これまで”ものづくり”が支えてきたわけですし、製造業による収益が消失しては、国民所得も減少し、サービス業への支出どころではなくなります。また、鉱物やエネルギー資源を海外からの輸入に頼っており、輸入に要する外貨を獲得するためにも、輸出産業は必要不可欠です。食料さえ自給できていない状況なのですから、輸出の減少は、国民生活を直撃します。

 おそらく、民主党の内向き志向は、グローバル化批判の延長線上にあるのでしょうが、市場が拡大し、ビジネス・チャンスも広がる時代にあって、その恩恵に背を向けることが得策であるとは思えません。第二の鎖国は、日本国の時計の針を逆に戻してしまうことになるかもしれないのですから。

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