時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

予算編成システムの再構築を

民主党政権では、歳出のむだを省くために、予算の仕分け作業を進めており、そのテレビ中継といった斬新な手法が注目を集めているようです。しかしながら、真に改革すべきは、予算編成のシステムなのではないでしょうか。

 もし、民主党の説明が正しければ、日本国の予算編成は、政治家の意向は全く反映されず、各省庁が事業計画を立て、政府がそれらを取りまとめて、予算案として毎年国会に提出していたことになります。しかしながら、実際には、”族議員”が暗躍したり、国会の予算委員会が影響力を持っており、政治家が、全く関与しなかったということではないようです。予算というものが、国民の中にある多様な利益やニーズを調整し、税を負担する国民多数が納得するものとなるためには、トップ・ダウン型の決定よりは、調整型の合意形成が望ましく、民主党政権の問答無用の事業仕わけ方式にも問題があります。

 日本国の予算編成の仕組みには、数多くの欠点があるのですから、この欠点の是正こそ大事なのではないでしょうか。財政のむだを削減することには大いに賛成ですが、多様な意見に耳を傾けるべきとする民主主義の原則を尊重し、国会を含めた調整システムを如何に構築するかを考えるべきと思うのです。

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