時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

子ども手当よりも教育のレベルアップが良策

 親の子に対する不安とは、充分な教育を受けられず、将来、職に就くことができないのではなかとする心配にあるとしますと、子ども手当では、こうした将来への不安を払拭することはできそうにありません。無条件の”ばらまき”政策では、教育の質を向上させる効果が期待できないからです。

 メキシコでは、貧困からの脱出を目的に、子供を学校に通わせるという条件の下で給付政策を行っていることが、評価されているそうです。我が国の子供手当の目的は、貧困対策でも、就学対策でもないわけですので、単なる子育て支援ということになります。しかしながら、所得がない老齢年金制度と違い、所得のある就労世代に対して一定額の給付金を支給することは、予算の優先順位としては低いのではないかと思うのです。むしろ、将来を見据えた学校教育の充実のために纏まった投資を行った方が、教育レベルの底上げには有効なように思えます。

 問題となっている海外居住の子供たちへの給付についても、個人に手渡すのではなく、我が国が出資する教育基金として新興国の教育事業に支援したほうが、はるかに相手国の教育の向上に役立ちます。”ばらまき政策”よりも、教育のレベル・アップ政策の方が良策であると思うのです。

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