時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

普天間基地移設問題―事故のリスクと安全保障のリスク

 普天間基地移設問題に関連して、県外・国外移設を主張する沖縄県民の方々は、沖縄の安全を訴えておられます。ヘリコプター墜落事故なども起きたため、基地周辺住民が安全を危惧されておられることは、充分に理解していますが、現在、沖縄が直面している最大の危機とは、沖縄そのものの安全保障なのではないかと思うのです。

 昨今の報道によりますと、一昨年の北京オリンピック開会式で登場した地図には、沖縄が日本国領としては描かれていなかったことが問題視されました。最近でも、中国艦隊が沖縄周辺海域で示威活動を行っており、沖縄に対する中国の領土的な野心は、決して否定できない状況にあります。沖縄県民の方々は、倭人系であるとはいえ、琉球王朝との関係を主張して、中国政府が、沖縄に対して軍事的な圧力をかけてくるとも限りません。

 事故発生のリスクを恐れて基地を移転した結果、防衛力が低下して、沖縄の安全そのものが脅かされたのでは、自ら危機を招く結果となりかねません。まずは、県外・国外移設に拘らず、沖縄の安全保障を第一に考えたうえで、基地が存在することで被る住民のリスクを低減する方法を模索すべきと思うのです。

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