時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

民主党のマニフェスト―二つの罪

 新聞の報道によりますと、民主党は、マニフェストの達成度について自己採点を行い、その51%は実施したと評価したそうです。しかしながら、民主党マニフェストには、二つの罪があると思うのです。

 その一つは、非現実的な政策をマニフェストに掲げた罪です。この場合、マニフェストを無理に実施しますと、状況が悪化したり、国益が損なわれます。例えば、財源の目当てがないのに、子ども手当や高等学校の無償化を実施したことで、財政赤字はさらに増大しました。

 もう一つは、マニフェストを実施しなかった罪です。皮肉なことに、この場合には、普天間基地問題のように、マニフェストを実施しなかったことで国益が守られることもあります。

 マニフェスト方式ですと、選挙に際して、国民は、政策を選択することができますので、この点、民主主義に照らして評価できます。しかしながら、政党が、選挙目的のために不誠実なマニフェストを作成しますと、政権発足後に、自らが蒔いた種によって、収拾のつかない混乱に見舞われることになると思うのです。

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