時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国の調査船派遣の疑心暗鬼

 今月13日、中国は、福島第一原発の事故による海洋汚染を調査するために、調査船を近辺の海域に派遣することを表明しました。日本国政府に対しては、EEZ内での調査実施の許可を求めているそうですが、拒否されても、公海での調査を強行するそうです。

 謀略に長けている中国のことですから、この調査、純粋に環境汚染のデータ収集のためなのか、疑わしい限りです(もちろん、環境汚染データが、今後の外交カードに使われる可能性も・・・)。中国は、近年、”海洋帝国”を目指して、太平洋への進出を試みておりますので、その布石を打つということなのかもしれません。潜水艦が航行させるには、海底の地形や海流のデータも必要ですし、太平洋での自衛隊や米海軍の動きをキャッチする目的も考えられます。また、福島第一原発の事故を契機として、日本国への介入の糸口をつかみ、政府を試している可能性もあります。どの程度のレベルの要求であれば、日本国政府は、中国政府の要請を受け入れるのかという・・・。

 東日本大震災という未曾有の危機に際して、頼りのない民主党が政権の座にあったことは、まことに不運なことです。この問題、政府の対応次第では、我が国の安全保障は、さらに危うくなるのではないかと危惧するのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
<A HREF="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</A>