時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

使途不明金が合法化されている政党助成法

 政治の劣化が著しい今日、その原因の一つには、政界をとりまく組織の杜撰さがあるのではないかと思うのです。政党助成法もまたその一つであり、使途不明金が許されている現状については、昨日の記事で既に述べました。

 法律の役割の一つは、特定の公的な活動に対して、それに相応しい規範を与えることです。規範の設定には、積極的に行うべき行為を定める方法(義務化)と、ある望ましくない行為を禁じる方法(禁止)があります。政党助成法についても、国家と国民のための政治活動を財政面から支えるために制定されたのですから、当然に、助成金を受ける政党としての義務を定める一方で、禁止行為も定めるべきです。この意味において、何らの規範も設けていない政党助成法は、悪法の一つに数えることができるのではないかと思うのです。

 この他にも、政党助成法の問題点としては、他の政党要件を充たしていない政治団体との間に財政基盤の差が生じ、平等性を損なうという指摘もあります。もし、政党助成法が、政界への”入口規制”となっているならば、政党助成金は、国会議員を擁する政党ならではの活動に限定すべきではないかと思うのです。

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