時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

反原発という精神主義

 今日、日本全国の原子力発電所は稼働を停止しています。この状態が続きますと、夏季には電力不足が予測されていますし、電力供給が充たされても、電力料金の値上げは必至です。マスコミを含め、反原発派の人々は、原発の危険性については、事細かく説明しようとしていますが、電力危機に対しては、”節電”を叫ぶのみです。

 原発全面停止を、先の大戦インパール作戦に譬える方もおられるようですが、”節電”の連呼には、”欲しがりません、勝つまでは”という戦時中の標語さえ頭をかすめます。先の大戦でも、マスコミが先頭に立ち、精神主義が鼓舞されました。反原発派の主流となっている左翼の人々は、戦時中の精神主義をしばしば嘲笑してきましたが、現在の反原発派は、まさに、精神主義そのものです。先の大戦では、国内で精神主義が叫ばれる一方で、外地では負け戦が続き、戦力の絶対的な喪失により、やがて敗戦を迎えることになります。

 歴史は繰り返すと言いますが、その一方で、人間は、歴史から学ぶこともできます。現実に目を瞑ることが失敗の原因であるならば、現実を無視した甘い見通しに基づく反原発論に対しては、過去の歴史の教訓を思い起こすべきではないかと思うのです。

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