時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

党内闘争に明け暮れる政治家達

 小沢氏、並びに、小沢グループ52人の離党により、民主党の終わりが始まったかのようです。それにしましても、日本国が危機的な状況にありながら、党内闘争に明け暮れている政治家達は、その存在意義を問われて然るべきです。

 一般の企業では、それぞれの果たすべき職務が決まっており、各自が、自らの責任を自覚しています。ところが、政界にあっては、政治家の仕事は曖昧であり、中には、有力議員の子分となって、親分の指示に従って国会で票を投じることが、政治家の任務と考えている議員もいるようです。この状況、”猿山”のボス争いにも見えなくもありません。動物的な闘争本能と言ってしまえばそれまでなのですが、離党騒ぎも、ボス争いに敗れた一群が、群れから去っていく光景とどこか似ているのです。権力闘争とは個人的なものであって、本来、政治とは別物です。政治家が、国民から託された役割を忘れたのでは、任務放棄に等しくなります。如何なる組織でも、任務放棄は許されるはずもありません。

 中国の台頭と安全保障のリスク拡大、6重苦に苦しむ日本経済、巨額の赤字を抱える財政、混迷を深めるエネルギ―問題など、政治家が、真剣に取り組まなければならない問題は山積しています。東日本大震災の復興も、緒に就いたばかりです。小沢氏は、離党の理由は増税反対としていますが(本当のところは分からない…)、政治家は、権力闘争よりも政策論争にこそ、労力と時間を費やすべきと思うのです。

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