時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

アンネの日記破損事件―日本極右化演出工作の可能性

 東京都内の図書館において、第二次世界大戦中のユダヤ人少女の日記である『アンネの日記』が、何者かによって棄損される事件が発生したそうです。被害にあった冊数は200を数えるそうですが、一体、誰が、何の目的でこの事件を起こしたのでしょうか。

 事件を表面だけから眺めますと、最も単純な説明は、日本国の右翼団体が実行したというものです。しかしながら、日本の右翼が反ユダヤ主義であったことはなく、こうした事件を引き起こしても、批判を受けこそすれ、得るものは殆どありません。動機が薄いのですから、この線は有力とは言えず、むしろ、左翼や周辺諸国に注目する必要もありそうです。何故ならば、日本国の極右化を印象付けることで、最もメリットを享受できるのは、これらの勢力であるからです。日本国内の左翼は、最近、安倍政権や田母神氏を批判するに際して、極右のイメージを持ち出すようになりました。また、先日、中国の人民網は、靖国神社に祀られているA級戦犯とされた方々を「東洋のナチス」として糾弾しており、ナチスとの同一視に努めています。加えて、破損の舞台が図書館であったことを考えますと、韓国の線も捨てきれません。日本海表記を不服とした韓国の学生たちは、世界各地の図書館を訪れては、所蔵されている地図に”東海”のシールを張っているとも報じられています(慰安婦像が少女であることも共通点…)。北朝鮮もまた、自作自演が常套手段ですので、疑わしき国の一国です。しかも、ナチスの独裁体制に最も近く、日本の極右メンバーの一員となっている北朝鮮人も少なくないそうです。左翼勢力はもとより、日本国内には、在日中国、韓国、北朝鮮の人々が多数居住しておりますので、組織的な実行は可能なのです。

 この事件に対して、ユダヤ系団体のサイモン・ウィーゼンタール・センターは、昨日、この事件について「衝撃と深い懸念」を表明し、捜査と実行者の特定を求める声明を発表しそうです(日本で報じられる以前に情報を把握している…)。この事件を徹底的に捜査することは、日本国内に蠢く工作活動の全容解明に繋がる可能性もあると思うのです。

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