時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

若年層の投票率低下-自分しか興味がない?

 グローバル化の時代が叫ばれながら、若年層が生きている世界は、逆に狭くなるという奇妙な現象が起きているようです。
 
 日経新聞の『春秋』によりますと、20代の若者を対象とした政治意識調査の結果、日本が目指す方向として全体のトップとなったのが、「結婚や子育てといった基礎的な陣源生活が保障される社会」との回答であったそうです。実施したのが、角川アスキー総合研究所ドワンゴとのことですので、調査対象には偏りがあるのかもしれませんが、”それぞれの生活を普通に送りたい”との願望には、どこか、アパシーが漂っています。逆からみますと、自分の生活さえ安定していれば、政治など、どうでもよい、とい言っているように聞こえるからです。現実には、周辺諸国を見回しましても波高く、経済においても、政府がかじ取りを誤りますと、転覆の危機さえあります。また、国民が政治から目を離しますと、統治機構の腐敗や暴走も始まります。
 
 当調査では、投票に行かない理由として、”投票したいと思う候補者がいない”とする回答が最も多数となったそうです。候補者の問題も然ることながら、若者たちが、政治に対して無関心となり、自分とその周りの人々にしか興味を持たなくなったことにこそ、日本国の政治の危機があるのではないかと思うのです。
 
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