時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

植村隆元朝日新聞記者の倒錯思考

 慰安婦問題を積極的に報じてきたことでその名を知られる植村隆朝日新聞元記者(北星学園大学の非常勤講師)。一転して”捏造記者”とする批判を浴びるようになったことから、名誉棄損罪で週刊文春を訴えると報じらております。
 
 植村氏の言い分を聞いてみますと、その倒錯ぶりに驚かされます。週刊文春に対する罪状は、そのまま自分自身にも当て嵌まるからです。訴状によりますと、”原告が犯罪者であるかのような印象を社会に植え付け、大学に対する脅迫まで引き起こした”として憤懣やるかたないようですが、植村氏の記事により、日本国、並びに、国民は、まさしく”国家犯罪を実行したような印象を国際社会に植え付けられ、韓国から謝罪と賠償を迫らるとともに、諸外国からも糾弾されるようになった”のですから。”他人の嫌がることはしてはいけない”は、古今東西を問わず、道徳の基本なのですが、植村氏は、この一件によって、自らの過去の罪を自覚して反省するどころか、被害者の立場を陣取って、なおも他者を責め続けているのです。しかも、植村氏に対する批判は、事実に基づくものですが、慰安婦問題に関する日本国に対する名誉棄損は、事実に基づいてもいないのです。どちらが悪質であるのかは、一目瞭然のはずです。
 
 本来、植村氏こそ、名誉棄損罪で訴えられるべき加害者の立場におります。しかも、個人ではなく、国家と全国民に対する…。植村氏の倒錯した思考は、慰安婦問題の病理の象徴でもあると思うのです。
 
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