時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

村山談話の問題-与えられた復讐の根拠

 犯罪被害を受けた場合、加害者から謝罪や補償を受けることは、平和裏に恨みが晴れる方法です。ところが、人間には、もう一つ、恨みを晴らす方法があります。それは、復讐という名の暴力的な手段です。
 
 村山談話のもう一つの問題点は、日本国の加害性を認定することで、相手国や相手国国民に対して、復讐の根拠を与えてしまったことです。復讐心は、人間に備わる本性的なものですので、被害者意識を抱いた途端に、復讐心も芽生えてしまう可能性があります。現在の中国国民も韓国国民も、その殆どは戦後生まれなのですが、日本国の加害性と残虐性が強調されればされるほど、”祖父母の恨みを晴らす”とばかりに、それと同レベルの復讐を日本国、並びに、日本国民に対して実行する正当な権利があると信じ込むようになるのです。国際法では、講和条約等の条約が締結されれば、復讐は違法となりますが、中韓とも、法の支配を無視しておりますので、日本国は、捏造された歴史に基づく復讐のリスクを負うことになるのです。日本国による”侵略と植民地支配”に対する復讐とは、日本国に対する”侵略と植民地支配”に他なりません。
 
 このように考えますと、村山談話は、復讐を仕掛けられる危険性を日本国と日本国民に与えることにもなりました。村山談話は、史実のみならず、人間の負の心理に対しても、目を瞑ってしまったのではないかと思うのです。
 
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