時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

SEALDsが愚かと評される理由

  SEALDsの活動は海外のネットでは不評であり、”日本の学生は愚か!”といった手厳しい批判もあるようです。中国の軍事的脅威が迫っているにも拘わらず、”戦争反対”を連呼するばかりで、対応策に全力で反対しているからです。

 現実の脅威を無視する態度に加えて、もう一つ、SEALDsが愚かと見なされる理由を挙げるとしますと、彼らの望む共産主義体制が成立した暁に、真っ先に、天安門の学生になりかねないのは、自分たち自身であることに気が付かないことです。共産党一党独裁体制が敷かれている中国では、”七不講”が命じられており、人類普遍的な価値を説いてはならない、とされています。つまり、今では、SEALDsが叫んでいる”自由”も”民主主義”も、公に口にしてはいけない言葉なのです。そして、実際に、これらの言葉を叫んだ中国の学生達は、人民解放軍の向けた銃口の前に斃れ、凄惨な手段で天安門広場で命を落とした歴史があります。チベットもしかり、東トルキスタンもしかりです。SEALDsは、現実の脅威のみならず、中国による過去の非人道的な行為をも直視しようとはしないのです。共産政権の成立に貢献したことが評価されて、厚遇を受けると信じていたとしたら、これまた楽観に過ぎ、身内や協力者でも容赦なく粛清するのが共産主義の常套手段です。

 愚かなのか、勉強不足なのか、それとも、洗脳されているのか…。何れにしましても、善を装ったSEALDsの主張は、自らをも含めた全国民を弾圧や虐殺の危機に晒していると思うのです。

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