時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

育メン休暇への素朴な疑問

 男性の育児休暇につきましては、マスコミなどは、国会議員も含めて拡充すべき制度として奨励しています。しかしながら、この制度については、幾つかの素朴な疑問があります。

 子供の健全な生育には両親が揃っていた方が望ましく、父親も子育てに参加べきとする方針は尤もなことです。しかしながら、第一に、母親と父親は同じ役割を果たすべきか、と申しますと、そうでもないように思えます。この点、育メン休暇とは、基本的には、父母の間に役割の違いを認めない、極端な男女平等思想が前提にあります。乳幼児期に限って休暇の取得を認めるのですから。しかしながら、父母の間に役割の違いを認めるとしますと、父親の育児休暇は、むしろ、子供に物心がついてからの方が重要なのではないでしょうか。第二の疑問は、育メン休暇推進論者は、シングルマザーやシングルファーザーの存在を無視していることです。少子高齢化対策として、シングルマザーを増やすべきとの意見も聞かれますが、マスコミのスタンスが示すように、シングルマザー推進論者は、同時に育メン休暇推進論者でもあります。両主張には整合性の欠如があるのです。

 育メン休暇制度の拡充は、既定路線のように扱われておりますが、理念の先走りが見られますので、もう一度、原点に返ってその必要性について考えてみるべきではないかと思うのです。

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