時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本国は「シオンの議定書Protocols of Zion 」に登場する

本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。「シオンの議定書Protocols of Zion 」は、偽書とされています。しかしながら、この書は、第二次世界大戦を誘発したとも言われるほど、影響力のあった書です。内容からしますと、20世紀初頭、即ち、明治時代中期以降に執筆されたと推測されますが、この書に、日本国の名が登場していることは、あまり知られていません。
 
シオンの議定書Protocols of Zion 」とは、ユダヤの長老とされながらも、正体不明の国際勢力によってつくられた‘計画書’とされています。本記事で挙げた世界支配志向勢力の10の推定基本戦略とも、この議定書の内容は一部重なっております。
 
この議定書における日本国の登場は、衝撃的です。何故ならば、この国際勢力の配下の”鉄砲”と表現されているからです。何故、同書には、こうした記述があるのでしょうか。偽書とされてはいますが、当時の人々が信じた背景には、同書には、現実の国際情勢を、全てでないにせよ、説明する部分があったからなのでしょう。となりますと、世界支配志向勢力は、交戦権も含め日本国の権力の中枢まで入り込んでいた可能性を示唆しているとも言えるのです。

シオンの議定書』における日本登場の謎を解くには、やはり、幕末の東インド会社を含む世界支配志向勢力の活動に注目してみる必要があるように思えます。世界支配志向勢力もまた、英国に限った組織ではなく、ヨーロッパのみならず、ユーラシア大陸全域にも活動の場を広げていた奇妙な国際組織なのですから。

 
歴史と推理小説の違いは、推理小説は、名探偵が、数々の状況証拠から、犯人を割り出し、理路整然とその犯人の動機や犯行の手段、犯行に至るまでの経緯を説明し、犯人は、その罪を認め、読者は溜飲を下げるのですが、歴史研究の場合、状況証拠からもっとも蓋然性の高い推理を導き出しても、証拠が無いという理由によって、異説、時には、‘とんでも説’として扱われてしまう傾向にあることです。シオンの議定書をめぐりましても、然して研究が進んでいるわけではありませんが、どうやら、従来の教科書的な、通説的なアプローチから少し離れた視点から世界史を見直さなければ、現在、世界が抱えている深刻な問題の解決の糸口を探すことはできないように思えるのです。
 
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(続く)