時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本国を蝕む”既成事実の支配”

 本日の各新聞の朝刊には、宗教団体である創価学会が、公明党に対して政策に関する支持を行ったとする記事が掲載されていました。このことは、明白なる憲法第20条違反に当たるのですが、何故にか、マスコミは何も指摘せず、既成事実が大手を振って歩いています。

 そもそも、公明党の支持母体である宗教団体は、特定の宗派の信者の私的な集まりであって、公的な性格はないはずです。信者にとりましては、この集団の宗教的な指導者は絶対的な存在なのでしょうが、他の国民にとりましては、何の面識も関係もない一個人でしかありません。政治という公の場で、一私人、あるいは、特定宗教集団の意向が政策に反映されるとすれば、民主主義の原則をも揺るがしかねず、まことにゆゆしき問題と言えましょう。公明党が連立政権の与党であり、国土交通大臣のポストを握っていることは、この問題をより深刻なものとしているのです。

 宗派政党の存在のみならず、近年、裁判員法など、憲法を無視した法律の制定も散見され、さらには、外国人への地方参政権付与や人権擁護法など、憲法違反の可能性の高い法案も国会提出が検討されていると言います。いつの間にやら、日本国では、既成事実がまかり通るようになってしまったようです。これでは、日本国は、”法の支配”ならぬ”既成事実の支配”する国になってしまうのではないでしょうか。