時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

地上げ屋は地上げ行為で取り締まりを

 暴力団を経済活動に使うと、社会的信用を失い、あとあと根深い禍根を残すことは、バブル経済で痛いほど企業は経験したはずです。にもかかわらず、再び地上げ屋を雇うような二部上場企業が出現するとは、歴史の教訓が生かされなかったことになり、まことに残念な限りです。

 警視庁は、地上げを委託したスルガコープレーションに対して、弁護士法違反事件として捜査を進めているようです。しかしながら、弁護士法の適用では、事件発覚してからしか対応ができないことを意味してしまいます。テレビの放送などによりますと、紀尾井町TBRビルでは、立ち退きを強要するために、入居者に対する悪質な嫌がらせが頻繁に行われています。地上げ行為であることは明きらかな場合には、地上げ行為があった時点で取り締まりを行えるようにするべきと思うのです。

 もし、地上げ行為を取り締まりるための法令がないならば、新たに法律の制定するか、刑法(脅迫の罪)や暴力団対策法を改正する必要がありましょう。経済に暴力団が介入しますと、不正が横行し、国力の衰退の原因になりますので、ここは、厳しく対応していただきたいと願うのです。