時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

人権擁護法案で悪い者勝ちになる?

 人権擁護法案については、ブログでも話題になっており、反対運動も起きていているようですが、その恐ろしさを全国民が知るべきではないか、と思うのです。

 人権擁護法案は、全ての国民を対象としており、不可侵であるべき個人の領域に踏み込み、かつ、正当な批判を封じる恐れがあることは言うまでもありません。それは、人権侵害の行為が、被害を訴える側の一方的、かつ、主観的な判断に任されるからです。他意のない発言が、勝手に解釈されたり、歪曲されて理解され人権侵害と認定されたりしますと、日本社会における日常的な人間関係は、根底から破壊されることになります。また、まっとうな批判と侵害行為との境界線が引きにくく、悪人が、誰からも批判されない悪い者勝ちの社会になってしまいそうなのです。

 相互不信が募り、言うべきことも言えないような社会を、誰が望むというのでしょうか。人権擁護法案が、国民がこぞって支持するようなすばらしい法案であるならば、選挙のマニフェストに掲載し、国民に賛否を問うべきではないか、と思うのです。