時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

ゆとり教育が日本国で失敗した理由

 ゆとり教育の失敗が広く認識され、脱ゆとりの教育へと大きく舵が切られる中、ゆとり教育の失敗原因については、まだ十分には分析されていはいないようです。そこで、ひとつ考えられる要因として、日教組教育に代表されるような、教育現場における思考の硬直化があったのではないか、と思うのです。

 ゆとり教育を擁護する論拠として、しばしば、フィンランドのような教育、つまり、伸び伸びとした授業を通して考える力を育てる、という主張が挙げられてきました。この柔軟な思考力を育てるという方針は間違ってはいませんし、むしろ、脱ゆとりの教育にあっても、失ってはならない基本的な教育方針であるます。しかしながら、日本国の教育現場にあっては、特定の思想的な背景を持った組織に多数の教員が属しており、生徒を伸ばす立場にあるはずの教員自身の思考や発想に自由度が低いという現実があるのです。言い換えますと、教える側の方に、ゆとり教育の長所を生かす環境が整っていなかったことになります。

 もちろん、他にも様々な原因があるのですが、詰め込み教育に戻るというよりも、低学年における暗記の重視や知識の量的拡大を目指しつつ、同時に、教員の側の意識改革を行い、生徒の思考や発想力を伸ばす教育を心がけるべきではないか、と思うのです。

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