時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

NHKの”自主自律”とは?

 昨日、放送倫理検証委員会が、「従軍慰安婦」という番組について、”番組製作の幹部が放送前に政治家らと面談し、前後して改編支持した一連の行動は、NHKの自主自律を危うくする”との見解を示したと言います。しかしながら、NHKの”自主自律”とは、一体、何を意味するのでしょうか。

 もし、”自主自律”が、公共放送としての不偏不党性を意味しているとしますと、それは、政府のみならず、一部の民間の団体や思想集団からの介入や影響をも受けてはならないことになるはずです。しかしながら、「従軍慰安婦」という番組で問題となったのは、それが、公共放送としての不偏不党性に反して、一部のイデオロギー集団の影響の下で作成されたからです。つまり、NHKが、中立どころか、思想的に偏向していたからこそ、それを是正するために、政治家の関与があったことになります。もし、民主的選挙を通して国民から選ばれた政治家には、公共放送の中立性を保つための措置がとれないとしますと、一体、誰がNHKの偏向を正すことができるのでしょうか。

 NHKは、国民から受信料を徴収しながら、国民の声を反映させる民主的な仕組みが欠けており、現状では、NHKの”自主自律”は、NHKが、国民を無視して何でもできるとう状況を意味しています。政治家の介入を否定するならば、別の方法でNHKの偏向を防がなくてはならないと思うのです。

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