時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

衆議院解散―難しい判断を迫られる国民

 衆議院の解散時期をめぐって揺れてきた政界を思えば、本日の衆議院解散は、一つの区切りとも言えます。選挙戦の火蓋が切って落とされたことで、早期解散を訴えてきた民主党が攻勢に出る一方で、与党側は守勢に転じているようです。政治を舞台にした闘いが始める一方で、今回の総選挙では、国民は、極めて難しい判断を迫られることになりそうなのです。

 国民の判断を難しくしている原因として指摘できることは、まず、今回の選挙は、政治・経済両面において不安定な時期に行われるということです。政治を見ましても、中国の軍拡や北朝鮮の核・ミサイル開発は、直接に我が国を脅かしていますし、経済においても、昨年発生した金融危機により、我が国は深刻な不況下にあります。このことは、今回の衆議院選挙の結果で成立した政権の舵取り次第で、今後の日本国の運命もまた大きく左右されることを意味しています。また、与党への批判票として野党に投票し、政権交代が行われても、一体、どのような政権が誕生するのか不透明なことも、判断を難しくしている原因の一つです。過去に民主党政権の前例がないのですから、国民が、不安を抱かないわけはありません(特に安全保障や外交政策・・・)。政権が交代しても、現在よりも状況が良くなるという保障がないのです。

 政治家の方々は、選挙戦で頭がいっぱいでしょうが、国民もまた、今回の総選挙については、頭を悩ませることになりそうです。せめて、各政党とも、できる限り現実的で具体的な政権公約を示した上で議論に応じ、より多くの判断材料を国民に提示していただきたいと思うのです。

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