時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

教員免許更新を廃止すると生徒に不利益

 今月の27日に発表されるという民主党マニフェストによれば、教員免許の更新制度は廃止されるとのことです。この制度改革は、教師側にとってはメリットとなりますが、生徒の側に立ちますと、デメリットの方が大きくなるのではないかと心配になるのです。

 医師や弁護士などの専門職の資格は終身ですので、教員免許も更新を要しないとの意見もありましょう。しかしながら、教員免許と前者の免許との違いとして、後者の場合には、生徒は教師を選べす、かつ、何らの淘汰のメカニズムも働かないという点を指摘することができます。もし、”藪医者”や”悪徳弁護士”などであれば、患者やクライアントは、これらの人々を自らの意思で避けることができます。一方、教員はと言いますと、生徒や保護者には教員を選ぶ自由はありませんし、学校側も、正規の採用であるならば、たとえ教員の教える能力が低くても簡単には解雇することができません。つまり、生徒側は、一方的に適正の乏しい教員を押し付けられる可能性があるのです。

 もし、教員免許の更新を廃止するならば、生徒が不利益を被ることがないように、何らかの形で適正のない教員を排することができるシステムを用意しなければならないと思うのです。教員によって生徒のその後の人生が変わることもあるのですから、生徒に選択肢がない分、それを補う制度が必要なのではないでしょうか。

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