時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

外国人参政権問題―外国人の基本権は既に守られている

 報じられているところによりますと、外国人への地方参政権付与問題について、鳩山首相は、付与する理由は外国人の権利を守るためと答弁したそうです。しかしながら、国際法において求められている基本権の保護は、日本国では、既に実現していると思われるのです。

 個人の権利にも様々な種類があり、基本権と呼ばれる生命、身体、財産については、刑法に明記されているように、外国人もまた保護の対象となっています。外国人であるからといって、日本国の警察が被害に見て見ぬふりをしたり、裁判から除外されるということもありません。国民であれ、外国人であれ、等しく基本権は保護されているのです。一方、政治的な権利となりますと、これは、政策決定や権力の行使にも関わりますので、基本権とは性格が全く違います。参政権とは、家族やクラブなどと同様に、ある集団のメンバーに属する人々がもつ固有の権利であり、その集団に関わる事柄の決定に参加する権利とも言えるのです。

 同じく”権利”という言葉で表現されながら、基本権と政治的な権利とでは著しい違いがあります。両者を混同しますと、外国人にはその国籍国の対人主権が及びますので、むしろ、内政干渉や政治的な対立が発生し、国内外にに混乱をもたらすかもしれません。国際化が進展した時代であるからこそ、権利関係が混乱しないよう、誰が、どのような権利を持っているのか、整理しておく必要があると思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
<A HREF="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</A>