時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

国会の承認なき温暖化ガス削減目標の国連登録

 先日、民主党政権は、国連に、条件付きながらも温暖化ガス25%の削減目標を登録した報じられていますが、この登録には、本来、国会の承認が必要なのではないでしょうか。

 憲法第73条には、首相の権能として条約締結権を挙げていますが、事前、または、事後の国会承認を要すると定めています。国連への目標登録は、国際機関との約束を意味しますので、この規定に従って、国家における承認を要するはずなのです。しかも、25%削減の目標は、経済界や国民生活全般に多大な影響を与えますので、政府が独断で決定すべき事項ではありません。国会で充分な議論を尽くし、経済界や世論の動向を見極めるというプロセスを省略しますと、国民の協力を得られることはできませんし、不満が燻ぶることになります。

 国会が開催されていることですので、25%削減目標の是非について、まずは、議論すべきなのではないでしょうか。目標達成のための何らの具体策や見通しを示すことなく、突出した高い目標だけが独り歩きしては、日本国の信頼性を傷つけることになると思うのです。

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