時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

外国人の大量採用―パナソニックの吉凶は?

 パナソニックでは、新卒採用の8割を外国人にするという大胆な方針転換を発表したそうです。その方法とは、1100人の現地採用の「グローバル採用枠」を設けたうえで、残りの290人についても、積極的に外国人を採用する、というもののようです。

 事業の海外展開を視野に入れた措置のようですが、おそらく、将来のパナソニックは、日本の企業ではなくなるかもしれません(今でも多国籍企業ですが・・・)。ローマ帝国がそうあったように、外国人に門戸を開くと言うことは、”属州”からの"本国"への逆流を意味しています(ローマ帝国では、異民族出身の皇帝が相次ぎ、最後には、ローマ人は消えてしまった・・・)。やがて、CEOはアジア諸国の人々で占められ、本社さえ他国に移動するかもしれません。世界各地に事業所を設けてグローバル展開するということと、経営陣への道を開くということは同義ではなく、その結果もまた、大きく違ってきます。

 果たしてこの方針、吉と出るのでしょうか、凶と出るのでしょうか。アジア諸国と比較して、日本国の教育レベルは決して低くはなく、学問の自由があることは、中国にはない強みでもあります。また、言語能力は、実務上や経営上の能力と必ずしも一致するわけでもありません。パナソニックの方針が時代の風潮となって、日本人学生のチャンスを狭めることになるのではないかと、危惧するのです。

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