時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

原発事故―政府は複数の被害シナリオの公表を

 福島第1原発では、ここ連日の放水作業が一定の効果を挙げたようで、安心感が広がっていたところ、本日午後、3号機から煙が上がっているとの報告があったそうです。二転三転する状況に、国民も落ち着く間がありません。

 政府の発表は、現場での現在進行形の状況説明に終始しておりますが、これでは、国民は、この先、何が起きるのか、皆目見当もつきません。マスコミの説明も同様なのですが、その一方で、ネット上では、最悪の事態に至れば、東日本壊滅といった恐ろしいシナリオまで流されています。国民が、心と行動の準備をするためにも、最悪のシナリオから最低限に被害を抑えた場合のシナリオまで、複数のシナリオを作成し、起こり得る確率とともに、国民に公表すべきと思うのです。例えば、最悪のシナリオは、6機の原子炉が全て水蒸気爆発を起こす状態であり、その確率が1%ほどあり、被害予測は、半径○○キロメートル範囲に、放射線物質の○○、○☓、☓△が○○量拡散し、この場合に放射線の予測値は○○シーベルトである、とか。

 こうしたシナリオを被害のレベルごとに複数作成して提示しておけば、現状の推移と合わせて、国民は、被害予測を自ら判断することができます。アメリカからも、原子力専門家チームの方々も来日しておられますので(訂正:22日の新聞によれば、まだ来日していないらしい・・・)、もし、国内の専門家が不足しているような状況であるならば、シナリオの作成を依頼する方法もあります。何れにしましても、このままでは、国民の不安と政府への不信を払拭することはできないと思うのです。

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