時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

唖然として言葉を失う菅首相の構想

 一昨日と昨日と、神奈川県知事と大阪府知事太陽光発電促進政策について、あまりの非現実性な内容に唖然とさせられてしまった、とする記事を続けて書きました。最後に登場した真打は、やはり、菅首相であったようです。

 昨日閉幕したG8の席で、菅首相は、新たなエネルギー政策の目玉として、「1000万戸太陽光パネル設置構想」を打ち上げたそうです。太陽光発電の非効率性とマイナス影響については再三指摘してきしてきましたが、一体、菅首相は、この構想を実現することができると本気で考えているのでしょうか。財源の問題は、国レベルではさらに深刻であり、目下の復興資金でさえ目途が立っていません。危うい財政運営の中で、公的な負担が積み上がるような政策を、早々に実施できる余地はほとんどないのです。しかも、太陽光発電が普及すればするほど、製造拠点としての我が国の国際競争力は失われてゆきます(大量失業の発生・・・)。

 この構想、経済産業大臣にも知らされておらず、首相の独断の提案であったとのことですが、参加各国首相の反応は、冷やかであったと伝えられています。首相は、”サプライズ”を狙ったのかもしれませんが、日本国民も国際社会も、首相のあまりの軽薄さに”サプライズ”したのではないかと思うのです。

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