時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

非常識すぎる違憲判断―受刑者が裁判員に?

 高裁レベルであり、かつ、訴え自体は退けられたものの、”受刑者の投票制限は違憲”との判断が、大阪高等裁判所で示されたそうです。非嫡出子の相続分をめぐる先の最高裁違憲判断も然ることながら、この判断も、あまりに非常識ではないかと思うのです。

 他者を侵害し、社会秩序を乱したのですから、罪を犯した者が、刑罰として、基本的な権利や自由、並びに、国民としての権利(参政権…)に制約を受けることは当然すぎるほど、当然のことです。日本国憲法もまた、刑罰の必要性を否定しておらず、憲法が言及しているのは、行き過ぎた拷問や残虐刑のみです。仮に、この違憲判断に従って、受刑者にも参政権を認めるとしますと、受刑者が、裁判員に選ばれることにもなりかねません。裁判員は、衆議院選挙の選挙人名簿から抽選で選出されるのですから。また、選挙での投票のみならず、政治家として立候補もできるとしますと、受刑者が公職に就くという異常事態となります(通常は、有罪判決を受けたことは、辞職の理由となる)。

 一体、この違憲判断、憲法のどの条文を根拠としたのでしょうか。健全な秩序の守護者であるべき裁判官が、家族制度や統治機構を破壊するようでは、司法権の濫用なのではないかと思うのです。

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