時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

特定秘密保護法案-防衛機密と外交機密を分けては?

 特別秘密保護法案については、情報漏洩を防ぐという、防衛・安全保障上の必要性が強く認識されながら、情報隠蔽法になりかねないとする懸念から、反対の声も少なくないようです。この問題を解決するためには、防衛機密と外交機密を分けてはどうかと思うのです。

 防衛機密とは、国家安全保障上の理由から、決して外国に漏れてはならない情報です。いわば、日本国内、あるいは、同盟国間で密閉しておくべき情報であり、こうした種類の情報の漏洩は、国家の命とりともなりかねません。一方、外交機密の場合には、情報をやり取りしている相手国が存在しています。本法案に対する保守派の反対理由の一つは、相手国からの要請に基づく日本国政府による情報の機密化です。例えば、中国や韓国等からODA等の内情や支出先などの情報の隠蔽を依頼された場合、情報が機密指定されますと、国民は、もはや事実や実態に触れることはできなくなります。たとえそれが、日本国にとって極めて不利益であっても…。つまり、日本国政府と相手国との結託により、秘密保護の名目で、売国行為が隠されてしまうのです(”相手国への配慮”という言葉は、しばしば隠蔽を正当化する根拠となる…)。外交の世界には、兎角に魑魅魍魎が蠢きますので、外交機密こそ、国民の知る権利が保障されるべき分野なのです。

 このように考えますと、防衛機密については秘密保護を厳格化する一方で、外交機密については情報公開を基本とし、30年?後であれ、全面的に公開すべきです。情報公開を前提とすれば、外交が売国の場となるリスクを低減させることができるのではないかと思うのです。

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