時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

立候補者は配偶者の出自も公表を

 ネット上のサイトで、公職にある人は、政治家であれ官僚あれ、三代前の出自を明らかにするべきとする意見を拝見いたしました。情報開示項目に一つ、付け加えるとしますと、それは、配偶者の出自なのではないかと思うのです。
 
 ミャンマー憲法では、大統領の立候補条件として、配偶者が外国人であってはならないとする制約があるそうです。イギリス人が夫であるアウン・サウン・スーチー氏を狙い撃ちにした条項として批判を受けてもいるのですが、ミャンマーが植民地支配を受けた歴史を考慮しますと、外国人に対する警戒感については理解に難くはありません。日本国内の動きは、あくまでも立候補者に対して情報公開を求めているに過ぎず、立候補そのものを法律によって禁じようとしているわけではありません。また、歴史を振り返れば誰もが理解するように、配偶者によって政治が左右される事例は珍しくなく、かのフランス革命でさえ、王妃のマリー・アントワネットオーストリア出身であったことが、フランスの運命を翻弄しました。国内政治でも、姻族による介入が国を傾けることがあるのですから、配偶者の問題は、現在にあっても問題なしとは言い切れない側面があります。
 
 これまで、我が国では、民族問題に対して慎重すぎたことが、逆に、国を危うくしてきたました。歴史の教訓に学び、今後は、公人の出自は、国民の知るべき情報の一つに数えるべきと思うのです。
 
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