時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

安保関連法案-戦争と自然災害

 関東地方に続いて東北地方も水害に襲われ、河川の氾濫や土砂崩れの被害もあったそうです。災害がある度に指摘されるのが防災の不備であり、しばしば、怠慢や楽観視の責任が問われることにも少なくありません。

 ところで、災害対策と同様に予期せずして起こる禍は、外国からの武力攻撃です。有事ともなりますと、被災地に限定されることなく、国土、並びに、全国民の命、身体、財産は危機に晒されます。このため、有事に対しても十分な備えが必要なはずなのですが、日本国憲法は、第九条の条文が”防備は不要”とも解され得る、世界でも最も危険な憲法です。水害に譬えますと、降水量によっっては洪水が起きる得る河川に対して、堤防の建設を否定するようなものです。避難指示を出さなかった常総市の高杉徹市長は、”堤防が決壊するとは思わなかった”として自らの判断ミスを認め、謝罪されておりますが、有事においても、”絶対に外国から攻撃されるはずはない”と考えることは、致命的な判断ミスともなりかねません。安保関連法案に反対している人々は、実際に、日本国が侵略をうけた場合、何と弁明するのでしょうか。起きてしまってから反省したのでは、遅すぎる場合もあるのです。

 中国が軍事パレードで自らの軍事力を誇示している以上、”外国から攻撃されるはずはない”とする態度は、防災を怠る行為と同じです。予測される危険に対して万全の準備で臨むことこそ、政府の基本的な任務であると思うのです。

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