時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

新聞の奇妙な議論設定は言論統制?

 新聞を読んでおりまして、最近、奇妙な現象に気が付きました。一紙だけの現象ではありませんので、マスメディアに対して、根底のことろで何らかの圧力がかかっているのでしょうか。

 新聞では、しばしば、ある特定のテーマ、特に昨今話題となっているテーマを設定した上で、立場の異なる二人の論者を登場させ、両者の意見を対比させるという企画を行っています。通常、こうした場合には、賛成と反対の両意見を併記しするものですが、最近、賛否両論ではなく、登場する二人の論者とも、賛成の立場であるケースが見られるのです。この場合、同一の問題について、それぞれが違った角度から政策提言を行うに過ぎず、最も重要な政策の是非についての議論は省略されています。つまり、初めに結論ありきであり、既定路線を造っているとしか言いようがないのです。

 こうした手法は、読者が気が付かぬうちに、マスコミ側が、事前に反対意見を排除していることを意味します。その目的を推測しますと、言論統制の悪夢が脳裏を過るのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。