時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

憲法

日本国を蝕む”既成事実の支配”

本日の各新聞の朝刊には、宗教団体である創価学会が、公明党に対して政策に関する支持を行ったとする記事が掲載されていました。このことは、明白なる憲法第20条違反に当たるのですが、何故にか、マスコミは何も指摘せず、既成事実が大手を振って歩いてい…

憲法第9条は偽善

今月15日、横田めぐみさんが北朝鮮に拉致された日から、30年という月日が経つことになりました。学校からの帰宅途中に忽然と姿を消して以来、今日に至るまで再びめぐみさんと会うことができないでおられるご両親、そうして、かの地で囚われの身となって…

国会のねじれは憲法改正でしか直せない

インド洋での給油活動延長に関する法案をめぐり、衆議院と参議院との”ねじれ”た関係が問題視されるようになってきています。この”ねじれ”は、三重の”ねじれ”の複合体です。 第1の”ねじれ”は、首相選出の権限は衆議院に優位を認める一方で、一般の法案につい…

憲法第9条は思考停止をもたらす?

日本国憲法の制定以来、第9条は、絶対的平和主義の砦となってきました。平和自体は、可能な限り追及されなくてはなりませんが、力の正当な行使、あるいは、正義のための力の行使という問題に対しては、その議論を封印する役割を果たしてしまったとも考えら…

憲法第9条は主権平等の原則に反する

憲法第9条こそ、世界に誇るべき日本国の宝である、とする意見を良く耳にします。しかしながら、見方を変えますと、賞賛一辺倒とばかりは言えないのではないかと思うのです。何故ならば、憲法第9条は、主権平等が原則である国民国家体系にあって、日本国の…

言葉足らずな憲法第9条

日本国憲法の第9条の文言の解釈をめぐり、常々、不毛の議論に陥る原因の一つには、この条文が言葉足らずである、ということにもあるようです。 日本国憲法の制定時は、戦後直後(1946年)ということもあって、各国の思惑や理想が入り乱れた状況にありました…

戦後の占領政策はアメリカ単独ではない?

終戦以来、日本国では、戦後の基本的な国家体制を形作ったのは、太平洋戦争(大東亜戦争)を戦ったアメリカである、と信じられてきました。戦争でアメリカに負けたのであるから、当然に、アメリカの占領政策を受けたのである、と。 この考え方には、一つの見…

良き国づくりのための議論を!

報道によりますと、今回の参議院選挙では、前回の選挙と比べて期日前投票に限っては多くの有権者が投票所に足を運んだようです。実際の投票率はやや下がるとの見通しのようですが、国民の選挙への関心自体は、それほど低くはなかったように見受けられます。 …

憲法改正はアラカルト方式で

国民投票法案が国会において可決されたことにより、今後、わが国でも、憲法改正に関する議論が活発化するものと予測されます。ただし、この憲法改正手続きを進めるに際して、予め決めておかねばならないことがあります。それは、憲法典そのものを置き換える…

憲法第9条と見殺しの罪

憲法第9条は、道徳的に完璧であって、人類が残すべき貴重な遺産である、という主張をときどき耳にします。しかしながら、これは、本当にそのとおりなのでしょうか? 確かに、戦争といった武力衝突が一切なくなった状態は、人類の理想郷でありましょう。しか…