時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

皇室

最後の最後の手段としての”三種の神器構想”

保守系の方々からは、お叱りを受けそうなのですが、最近の皇室、特に、東宮家の惨状を見ておりますと、日本国民は、最後の最後の手段として、三種の神器を、日本国統合の象徴に据える選択肢を用意すべきではないかと思うのです。 反日勢力が、皇室の内部に巣…

憲法改正と天皇-日本国は後世に何を伝えたいのか

世論調査によれば、憲法改正賛成の国民が51%に上るそうです。自民党の改正案では、天皇を元首と明記する方針と伝わります。しかしながら、日本国における天皇の位置付けについては、まだまだ議論が不十分なのではないかと思うのです。 第一代神武天皇の即位…

マイホーム皇室の危うい行方-皇室の私物化

天皇陛下と皇后陛下は、昭和の時代にあって、理想の家族像を国民に示されてこられました。団地のベランダに仲良く並んで立たれる両陛下の若かりし頃のお写真は、この時代の空気を伝えております。 皇后陛下が民間出身ということもあり、マイホーム皇室は、皇…

三笠宮寛仁親王殿下ご薨去

本日午後、三笠宮寛仁親王殿下がご薨去されました。謹んで、御霊の安らかなることをお祈り申し上げます。 寛仁親王殿下は、喉頭がんの治療を受けるかたわらで、皇室の将来を憂慮され、皇位継承問題につきましても、たびたび皇族としての見解を、男系維持の立…

天皇の元首化には危険が伴う

報道によりますと、自民党は、衆議院憲法調査会において、”外交の顔”であることを理由に、天皇を元首と位置付けるよう、主張しているそうです。しかしながら、我が国の伝統に鑑みても、また、現代という時代を考えましても、元首の表記には、疑問を感じるの…

国会は国民のために風岡宮内庁長官の調査を

ネット上の情報によりますと、羽毛田宮内庁長官の後任として長官に就任する風岡氏は、創価学会員である疑いがあるそうです。確認情報ではないのですが、仮に、この情報が事実であるとしますと、皇室の危機と感じる国民は少なくないと思うのです。 神武天皇の…

女性宮家問題―斎宮の議論がない不思議

古来、未婚の皇女の重要なお役目として、伊勢神宮の斎宮と賀茂社の斎院がありました。14世紀には、既に途絶えてしまったのですが、現在でも、伊勢神宮では、皇女の方が祭主を務めておられます。 目下のところ、女性宮家創設が政治課題として提起され、専門家…

皇室典範改正問題―解き難いジレンマ

野田政権の成立とともに、皇室典範改正問題が、再び浮上するようになりました。改正に関する政府の説明は、皇室の安定化に終始しているようですが、この問題、皇室の血統と正統性に関わるジレンマを考えれば、簡単には結論を出せないと思うのです。 国民の多…

女性宮家―皇位継承が不安定化する可能性

本日、ネットのニュースに、女性宮家創設に対する賛成意見として、専門家とされる高森明勅氏の見解が紹介されていました。氏は、女系天皇の支持者として知られているようですが、氏の説は、皇位継承者指名制への変更に等しいと思うのです。 何故ならば、氏は…

女性宮家―配偶者と外戚問題こそ重大

マスコミ等では、宮内庁は、皇位継承の安定化を理由として、女性宮家の創設を提案したと報じています。一方、藤村官房長官は、この問題は、女性天皇や女系天皇とは切り離して議論すると述べていますので、両者の見解には相違があります。 藤村長官の見解に従…

女性宮家創設―宮内庁は充分な説明を

本日、宮内庁が、皇族の減少を懸念して、女性宮家の創設を提案したと報じられています。二千年以上に及ぶ伝統を改変することには、それ相応の慎重さが必要なのですが、宮内庁の説明不足と皇室に関する情報の乏しさもも、国民の不安を高める原因です。 ”宮家…

東宮家問題―国民の苦痛

本日の産経新聞に、最近の教科書の皇室に関する記述には、敬称などを略したものが多いとする記事が掲載されていました。論調としては、学習指導要領に従い、「天皇への理解と敬愛の念を深める」よう求めるべきという記事なのですが、問題が、教育側だけにあ…

旧宮家にも皇位継承権があるのでは

皇室典範の改正をめぐる議論は、一つの重大な見落としをしているように思えるのです。それは、旧宮家の皇位継承権の問題です。この問題は、宮家という制度と皇位継承権との関係が、これまで整理されてこなかったことに起因しているようです。 現代に繋がる宮…

女性の宮家創設は重大な問題

昨日、新聞の論説に、”皇室典範の改正は急務”というタイトルで、女性の宮家創設を主張する記事が掲載されていました(4月18日付日経新聞朝刊)。しかしながら、女性の宮家は、ゆくゆくは女系の天皇容認を意味することになりますので、天皇家の歴史始まっ…

宮内庁の学習院批判―寛容と慈悲の心を示してこそ

東宮の長女の方の不登校について、宮内庁は、学習院の”学級崩壊”を原因として挙げたそうです。しかしながら、宮内庁が、公の場で、一方的に学習院や生徒さんに責任があると決めつけることには、問題があるように思われるのです。 国民は、宮内庁の発表が事実…

皇居移転論より先に論じるべきこと

亀井金融相が、宮中昼食会の席で、皇居を京都か広島に移すべきではないかと発言したことが、物議を醸しているようです。もし、亀井氏の発言が、皇室は、政治権力から離れるべきであるとするものであるならば、移転論より先に、如何にして皇室の政治的な中立…

皇室の政治利用は日本国を揺るがす

民主党の小沢幹事長が大訪中団を結成して北京を訪問したことがきっかけとなり、天皇陛下と中国の習副主席との会見がルールを曲げて強要されたと報じられています。この事件、日本国を揺るがす大問題に発展する可能性があると思うのです。何故ならば・・・ (…

皇室典範と女子差別撤廃条約

今月の21日に、自民党では女子差別撤廃条約の批准に向けての審議が開かれるそうです。しかしながら、この条約が与える我が国への重大な影響を考えますと、慎重な対応が必要なのではないかと思うのです。何故ならば、もし、条約本体とともに議定書も批准さ…

建国記念日に反対する不思議

今年の建国記念日にも、恒例の如く、祝賀行事が催されるとともに、反対集会も開かれたと報じられています。ところで、建国記念日に反対する方々とは、いったい、建国のどこに反対しているのでしょうか。 反対集会での演説の内容が、ソマリア沖への自衛隊派遣…

時を超えて伝わる日本国建国の理念

すべての国には建国に至る歴史があり、また、建国神話が語り伝えられているものです。えてしてそれらは、武力で国を打ち立てた英雄や、強大な権力を握った征服王として描かれることが少なくなく、国の創始者の偉大さが強調されています。それでは、日本国の…

東宮家問題の解決に向けて

開かれた皇室の問題点についてこれまで記事を書いてきましたが、本日は、解決策を考えてみようと思います。その際に、細心の注意を払うべきは、日本国の存立を揺るがしてはならないということです。ただし、解決策は、東宮家にまつわる情報の真偽によって、…

開かれた皇室と不敬罪の問題

東宮問題で明らかになったことは、皇室が、国民からの批判にあたいする行為を行った場合、どのように対処すべきか、という問題提起です。この問題に対しては、1)神聖であるべき皇室に対する批判は、不敬にあたるので、一切の批判はしてはならない、2)国…

『天皇』の統合力と多民族国家化

18世紀に建国されたアメリカでは、オバマ大統領の就任が、多民族国家であり、かつ、人種差別が社会問題となってきたアメリカの統合を意味するとして、人々の関心を集めています。一方、建国から2600年以上を経た日本国では、古来、天皇が、日本国を緩…

開かれた皇室―民間出身のお妃の功罪

良かれ思って行ったことでも、しばしば、予期せぬ弊害があるものです。開かれた皇室も例外ではなく、民間からお妃を選ぶに際しては、短所となる面にも十分な注意を払うべきであったと思うのです。 民間からお妃を選ぶことの長所とは、1)皇族と国民との間の…

開かれた皇室―情報公開と信頼性

昨日に続き、開かれた皇室問題について、しばし、考えてみようと思います。昨日は、”開かれた皇室”という状況の中で、皇室が国民から信頼を得るためには、1)皇族が民間から配偶者を選ぶ、2)皇室の情報を公開する、という二つの要件を同時に充たす必要が…

開かれた皇室―開いた扉を閉められない

最近、雑誌などにおいて、皇室の記事を多く目にするようになりました。かつては、皇室の微笑ましいエピソードを書いた記事が並んだものですが、最近では、皇室の危機を伝える内容が多くなっているように見受けられます。その原因は何か、と考えました時に、”…