時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

エネルギー

反・脱原発デモとサイレント・マジョリティー

毎週金曜日、首相官邸前では、反・脱原発デモが繰り広げられており、先週末には、警察発表で1万7千人もの参加者があったそうです。デモに参加している人々は、自らの主張を”国民の声”とみなしていますが、本当に、そうなのでしょうか? 昨晩、NHKスペシャ…

石油枯渇問題―原子力発での維持を

一頃、盛んに取り沙汰された石油の枯渇問題は、近年の石油採掘技術の進歩により、先送りされた観がありました。ところが、イギリスの石油大手BP社のチーフエコノミストの方の見解によりますと、中国など新興国の需要増加により、石油の埋蔵量は、後、54年分…

反原発運動が共産革命化する不思議

昨日、首相官邸前において、主催者発表では、20万人とされる参加者を集めた反原発デモが行われたそうです。このデモ、”ジャスミン革命”ならぬ、”紫陽花革命”とも呼ばれているそうです。 原発の是非は、エネルギー政策の問題ですので、反原発運動に”革命”とい…

大阪市の関西電力株売却は誰のため?

昨日の関西電力の株主総会で、3分間しか発言時間が認められなかったことに憤慨してか、大阪の橋下市長は、関電株の売却の検討を言い出したそうです。もとより、大阪知事時代から、保有株の売却構想はあったそうですが、この計画、誰のためなのでしょうか。 …

関西を救ったのは福井県

大飯原原発の再稼働問題をめぐっては、反対陣営を張った関西広域連合と原発の立地県である福井県との間に、感情的な対立が生じたと報じられています。しかしながら、現実を直視しますと、関西を救ったのは、福井県なのではないかと思うのです。 もし、関西広…

西川福井県知事の現実的対応

ネットの世界は、反・脱原発派の活動の場となっているらしく、公開されている記事の大半は、大飯原原発の再稼働に対する批判意見のようです。しかしながら、現実を直視しますと、原発停止には相当のリスクが伴うことは、橋下大阪市長の豹変からも明らかなこ…

原発再稼働は致し方なしでは

大飯原原発の再稼働問題については、大阪の橋下市長が容認に転じたことから、野田首相は、来週にも再稼働の判断を下すそうです。反・脱原発派の人々にとりましては、憤懣やるかたなしなのでしょうが、この報道に、ほっとした国民も少なくないのではないかと…

再生エネ導入による電力料金値上げ

昨日、経産省の総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会において、一案に絞り切れず、5案の電源別の選択肢が示されたそうです。原発比率については、0~35%と開きがありますが、再生エネについては、25%~35%と、どの案も近い数字を出しています。 7…

”電気がなければ太陽光発電設備を買えばよい”

今夏の電力不足に対して、”電気がなければ、太陽光発電施設を買えばよい”という意見があるようです。この意見、マリーアントワネットの言葉とされる”パンがなければお菓子を食べればよい”に通じる無神経さがあるのではないかと思うのです(実際の発言者は別…

電力危機テロ論争

大阪市統合本部で顧問を務めている元経産省官僚の古賀茂明氏が、関西電力が”停電テロ”をしかけていると発言したことが、マスコミ等で大きく報じられています。関電側は否定しており、事実ではないようですが、電力危機に関しては、政府もまた、テロ的な手法…

核燃料サイクル計画は放棄すべきなのか

核廃棄物の処理問題は、脱・反原発派の人々が、しばしば反対の根拠として引き出してくる問題です。政府は、核燃料サイクルについても、見直し作業を進めていますが、核燃料サイクル計画は、放棄すべきなのでしょうか。 近年、世界各地でシェールガスが採掘で…

日本とギリシャの共通点

ギリシャでは連立政権交渉が難航し、再選挙が実施される見通しなそうです。ところで、日本国でも、別の問題ではあれ、ギリシャと共通する現象がみられます。 ギリシャの議会選挙では、国民の多くが財政緊縮策に反対し、再選挙の結果もまた、反対派が多数を占…

原発再稼働―おおい町議会に感謝こそすれ

大飯原原発の再稼働の同意要請を受けて、おおい町議会は、本日、賛成多数で同意案を可決したそうです。ネット上では、原発地元の同意に対して、反原発派の人々を中心に、批判する声もありますが、大飯町議会による合意は、多くの人々を救うことになるのでは…

東京都住民投票条例請求に潜む外国人参政権問題

昨日、反原発派の市民団体が、原発再稼働に関する住民投票の実施を求めて、東京都に対して条例制定の請求を行ったそうです。この請求には、表面には現れていないもう一つの問題点があります。 それは、請求では、住民投票の資格を、永住外国人に与えるよう求…

エネルギー確保に無関心な日本国政府

南シナ海では、海底に眠るとされている莫大な石油や天然ガスをめぐり、中国、フィリピン、ベトナムなどの諸国が、一触即発の状態が続いているそうです。対立の原因が、経済成長を支えるためのエネルギー資源の確保にあることは明白です。 一方、我が国を振り…

反原発という精神主義

今日、日本全国の原子力発電所は稼働を停止しています。この状態が続きますと、夏季には電力不足が予測されていますし、電力供給が充たされても、電力料金の値上げは必至です。マスコミを含め、反原発派の人々は、原発の危険性については、事細かく説明しよ…

橋下大阪市長は大阪市民の本音を聴くべき

大飯原原発の再稼働は未だに不透明な状況にありますが、今夏までに再稼働が間に合わないとなりますと、いよいよ計画停電や節電令が現実味を増してきます。大阪市民、そして、関西電力管轄内の住民の人々は、この事態をどのように考えているのでしょうか。 大…

関西の電力危機―京都の観光は大丈夫?

大飯原原発の再稼働問題に対して、京都府知事も滋賀県知事も、反対方針を表明しているそうです。このまま原発が再稼働されませんと、計画停電や節電が要請されることになるのですが、両知事は、産業への影響をどのように考えているのでしょうか。 特に京都は…

脱原発という無責任な神話

昨日、泊原発の運転が停止したことで、脱原発派の人々は、再稼働を阻止しようと必死に活動しているようです。こうした人々は、絶対に事故は起きないとしていた”原発神話”を論っていますが、自らも、国民に向かって”脱原発神話”を語っているのではないでしょ…

反原発主義者―他者の苦境を理解しようとしない人々

本日、北海道の泊原発を最後に、全国の原発が停止することになりましたが、反原発派の人々は、諸手を挙げて歓迎しているようです。こうした人々に対して不思議に感じることは、原発停止によって苦境に陥る人々に対して、全く、理解をしようとしないことです。…

火力発電所売却案―電力会社弱体化の行方

マスコミの報道などによりますと、電力会社の改革案として、電力会社の火力施設の売却や新規参入が提案されているそうです。 仮に、原発の再稼働ができないとなりますと、当面、発電比率の相当部分、おそらく、90%以上を火力に頼らざるを得なくなります。現…

反脱原発派の理不尽な電力会社への要求

大飯原原発を再稼働をめぐっては、地元では賛成派が多数を占めるものの、橋下大阪市長をはじめ、周辺自治体の長達からは反対の声が上がっているようです。夏季の電力供給不足について、根拠が曖昧であることを挙げて、より確かな根拠を示すよう求めています…

再生エネの買い取り価格決定は国民無視

最終決定ではないものの、経産相の「調達価格等算定委員会」は、再生エネ法の7月の施行を前にして、注目されていた太陽光発電の買い取り価格を決定したと報じられています。1キロワット時42円ということですので、かなりの高額です。 そもそも、この「調達…

電力危機と国の安全宣言―国家の危機なのか

大阪市の橋下市長は、藤村官房長官との会見で、大飯原原発の再稼働問題について、再稼働を進める政府に対して、厳しい口調で批判したと報じられています。国の安全宣言は、国家の危機と…。 しかしながら、電力危機(供給不足と電力料金の値上がり)と政府の…

電力会社叩きの行方

政府は、福島第一原発の事故以来、電力会社叩きに躍起となっています。諸悪の根源は、電力会社にあると言わんばかりなのですが、電力会社叩きの行く先には、何が待ち構えているのでしょうか。 批判の矛先は、事故の当事者である東電ばかりではなく、関西電力…

危機を深める橋下市長の暴走

日本国の経済や国民生活への悪影響を挙げて、原発再稼働の必要性を説明すると、必ずと言ってよいほど、それは、再稼働を迫る”脅し”であるとする反論が返ってきます。しかしながら、本当に、”脅し”なのでしょうか。 関西電力では、夏場に向けて、節電計画を作…

原発再稼働容認は非情ではない

政府が大飯原原発の再稼働に向けて動き出したことから、原発再稼働反対を訴える人々は、再稼働を支持する人々に対して、他者の命を無視し、経済を優先する非情な人間として非難しています。 反・脱原発派から見ますと、私も、非情な人間の一人となるのですが…

電力危機に対して無策な橋下市長

ようやく大飯原原発の再稼働に道筋がついたものの、ネット上には、原発再稼働反対の意見が溢れています。橋下大阪市長も、再稼働に反対を表明し、これを梃に、民主党政権打倒の気炎を上げています。 原発反対を叫ぶことは簡単ですが、電力危機を乗り越えるこ…

電力料金の値上がりと原発事故とではどちらが倒産を増やすのか

原発の再稼働と電力料金とは、トレード・オフの関係にあります。再稼働させれば、電力料金は下がり、再稼働を停止すれば、電力料金は上がります。今般、橋下大阪市長は、原発再稼働の8条件を公表しましたが、再稼働を停止した場合のリスクについては、全く…

原発再稼働が争点の御前崎市長選の問題点

浜岡原発の地元である御前崎市では、原発の再稼働を争点として三人の候補者が市長の座を競っているそうです。この原発地元の選挙、幾つかの問題を投げかけていると思うのです。 第1に、原発再稼働を争点とするには、地元の合意が、原発再稼働の条件であると…