時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

国民

「パナマ問題」-真の愛国者とは?

「パナマ文書」問題は、アイスランドの首相を辞任に追い込む事態となりましたが、まだまだ波紋は広がりを見せそうです。絶好の政権批判のチャンスでありながら、共産党等の野党の追及が甘いのは、自らの身内もリストに名を連ねているからとの憶測も流れてい…

「パナマ文書」-タックス・ヘイブンこそ増税の原因?

公開された「パナマ文書」をめぐって、ネット上では、タックス・ヘイブンを利用した企業の租税回避行動こそ、財政悪化の真の原因である、とする説が唱えられております。消費税増税問題も絡むだけに、国民の関心も高いはずです。 財政悪化タックス・ヘイブン…

清貧な政治家こそ誇りでは?-舛添知事問題

”都市外交”なる造語をスローガンに掲げて海外出張を繰り返す舛添知事。その豪遊ぶりから”大名旅行”とも揶揄されておりますが、江戸時代の大名でさえ、藩の財政や民心を慮り、参勤交代にあっても舛添知事程の贅を尽くすことはなかったはずです。 さらに驚くこ…

ハンセン病患者の方々には謝罪ではなく感謝を

昨日の記事に続きまして、本日も、ハンセン病患者の方々の問題について考えてみたいと思います。本日の記事のテーマは、”謝罪より感謝を”です。 ハンセン病とは、感染病であるため、国としても、隔離という特別の措置をとる必要があったことは、昨日、既に書…

ハンセン病は感染病の一種-特別視こそ問題

報道によりますと、ハンセン病患者の裁判を隔離して行っていた件に関して、最高裁判所は、謝罪の方針で調整中とのことです。しかしながら、取り立ててハンセン病隔離を問題にすることは、ハンセン病患者の人々にとりまして望ましいことなのでしょうか。 最近…

エイプリルフールが物語る”嘘はダメ”

本日は4月1日。一年で一日だけ、嘘を吐くことが許されるエイプリルフールの日でもあります。 ところで、このエイプリルフールの習慣は、少なくともその発祥の地であるヨーロッパでは、嘘がご法度であったことを物語っております。仮に、嘘が日常茶飯事であ…

”日本死ね”もヘイトスピーチでは?

本日、NHKの午後1時のニュースにおいて、自民党がヘイトスピーチ規制法の法案を纏めたとするニュースが報じられておりました。この報道からしますと、自民党では、一先ずはヘイトスピーチの定義づけを行ったらしいのです。 過去における人権擁護法案をめぐ…

白鵬問題-日本の相撲道形骸化の危機

一昨日、大相撲の春場所において、白鵬関が優勝を決めた千秋楽の結びの一番では、場内にブーイングが沸き起こり、座布団も投げられる始末であったそうです。36度目の優勝とはいえ、立会と同時に”変化”したというのですから。 この件について、国技館の観衆…

”青年の主張”化する奇妙な高校野球宣誓

春の高校野球が始まり、テレビ観戦を、毎日の楽しみにしておられる方々も少なくないことと思います。その一方で、昨日は、”サイン盗み”の疑いありとして、球審から注意を受ける出場校のニュースが報じられておりました。 ”サイン盗み”はルール違反なのですが…

”保育園落ちた日本死ね”の殺伐

先日は、”保育園落ちた日本死ね”の匿名ブログについて、その言葉の粗暴さについて記事を書きました。本日は、この表現から垣間見られる育児を取り巻く殺伐とした風景について取り上げたいと思います。 ”日本死ね”というあまりに酷い言い方については、落選の…

東日本大震災から5年-慰霊と再生の日

本日、東日本大震災が発生してから5年目の日を迎えました。未曾有の大震災により、犠牲になられました方々の御霊に心より哀悼の意を捧げたいと思います。 本日は、政府主催の追悼式典も開かれ、被災地となった宮城県では、「みやぎ鎮魂の日」に定めているそ…

育メン休暇への素朴な疑問

男性の育児休暇につきましては、マスコミなどは、国会議員も含めて拡充すべき制度として奨励しています。しかしながら、この制度については、幾つかの素朴な疑問があります。 子供の健全な生育には両親が揃っていた方が望ましく、父親も子育てに参加べきとす…

政治家は高潔で有能で国民思いであるべき

”政治家は、高潔で有能で国民思いあるべき”と主張しようものなら、失笑を買いそうな今般のご時世です。”誰でも政治家になれるのが、民主主義である”とか、”政治家は、清濁併せ飲む小悪人の方が向いている”といった反論も返ってきそうです。 しかしながら、政…

生活保護の受給者がパチンコをしてはいけない理由

地方自治体では、生活保護の受給者がパチンコ店で遊びますと、支給を停止する規制が広がりを見せております。当然と言えば当然の事なのですが、何故か、共産党などは、この規制を批判しております。 それでは、何故、生活保護の受給者はパチンコで遊んではい…

大阪市ヘイトスピーチ規制条例対策は逆効果

言論の自由を侵害する恐れがあると指摘されながら、昨日、大阪市議会では、ヘイトスピーチ規制条例案が可決成立したそうです。運営次第では、この条例は、言論弾圧を伴う恐怖政治の道具ともなります。 そもそも、事実が存在し、その事実に基づく限り、言論は…

夫婦別姓問題-”お墓・先祖供養法人・ファンド”の提案

選択的夫婦別姓問題の背景には、”後継ぎのいない家”の問題が指摘されております。少子高齢化のため、家名に加えて、お墓の継承も難しい家が少なくないのです。そして、この問題、檀家減少による地方や過疎地のお寺の存廃問題とも繋がっています。 それでは、…

選択的夫婦別姓問題-家族同姓制度vs.家族別姓制度

選択的夫婦別姓については、昨日の記事で提起しました”お墓問題”に加えて、様々な問題が潜んでおります。本日は、家、あるいは、家族崩壊のリスクについて指摘したいと思います。 選択的夫婦別姓を支持する根拠としてしばしば挙げられるのが、憲法の定める男…

夫婦別姓問題-お墓はどうなるのか?

先日の最高裁判所の判決により、一先ずは、民法が定める夫婦別姓制度は合憲とされました。とは言いますものの、野党民主党は、既に、選択的夫婦別姓法案の国会への提出を準備しているとも報じられております。 ところで、仮に、選択的であれ、夫婦別姓法案が…

夫婦別姓合憲判決-専業主婦の意見は無視?

昨日、選択的夫婦別姓に関して最高裁が合憲の判断を示したことから、賛成派の人々から、落胆の声があがっております。女性裁判官の三人全てが違憲と判断したにも拘わらず…と。 しかしながら、女性裁判官は、”女性”の意見を代表しているのでしょうか。仮に、…

選択的夫婦別姓は親子別姓-隔世継承を認めては?

最近、マスメディア等を介して、選択的夫婦別姓に関する国民の関心を喚起している節があります。毎日新聞社の世論調査では、51%が賛成と回答しているそうですが、世論調査の信頼性には疑問がありますので、実際、どれほどの国民が賛成であるのか、疑問なと…

11月11日-MRJの日本と独身の日の中国

昨日の11月11日は、日本国では、国際飛行機、MRJが遂に初飛行に成功し、YS11以来の快挙として沸き立っておりました。一方、中国では、この日は”独身の日”と呼ばれており、独身の人々が自分のためにお買い物をする日なそうです。アリババでは、この日一日で1…

個人情報漏洩事件-晒されたのは移民・難民のセキュリティー・リスク

昨日、漫画家のはすみとしこ氏のアップしたフェースブック上のイラストに”いいね”を押した人々の個人情報がリストアップして公開されるという事件が発生しました。漏洩事件を起こしたのは、情報セキュリティー会社の社員とされ、しばき隊やSEALDs擁護の活動…

日本のハロウィンへの素朴な疑問

12月25日のクリスマスや2月14日のヴァレンタインデーなど、日本国でも、海外の年中行事が祝われています。近年、10月31日にも、ケルト文化に起源を遡るハロウィンの行事が催されるようになりました。 ハロウィンは、もとはと言えば自然崇拝に由来しており、…

元プロレスラー文科相は学術の擁護者に相応しい?

固唾を飲んで見守っていた今年のノーベル賞受賞者の発表式。医学生理学賞に次いで物理学賞と、二日続けて日本人受賞の喜ばしいニュースが伝わり、日本国の科学技術のレベルの高さを内外に示すことにもなりました。 国土が狭く、資源の乏しい日本国は、勤勉な…

北野武氏の『新しい道徳』-野蛮が復活する?

北野武氏の最近の著作である『新しい道徳』については、先日、道徳を個人レベルに引き下げることの危険性について批判的な記事を書きました。本日の記事では、『新しい道徳』に潜むもう一つの危険性について指摘しておきたいと思います。 北野氏が、道徳とい…

SEALDsが愚かと評される理由

SEALDsの活動は海外のネットでは不評であり、”日本の学生は愚か!”といった手厳しい批判もあるようです。中国の軍事的脅威が迫っているにも拘わらず、”戦争反対”を連呼するばかりで、対応策に全力で反対しているからです。 現実の脅威を無視する態度に加え…

SEALDsにみる学生運動の変質

学生運動の始まりは、19世紀ドイツのブルシェンシャフトに代表されるヨーロッパの自由主義運動にあり、以来、学生は、政治改革の担い手として期待される存在となってきました。理想に燃えた若者達は、しばしば時の政府と全面対決に至り、弾圧によって命を散…

逃げ腰のSEALDs

昨日、参議院特別委員会では、安保法案反対運動の先兵とも言えるSEALDsの代表も招かれ、意見陳述の機会が与えられていました。ネット上などでは、安保法案反対論者から絶賛を受けておりましたが、その全文を読みますと、攻めに見えて、その実、既に逃げ腰な…

高校外の政治活動-洗脳対策も必要では?

報道によりますと、文部科学省は、「18歳選挙権」に合わせて、高校生の政治活動について一定の原則を設けたそうです。その原則とは、高校内での政治活動は禁止・制限とする一方で、学校外での政治活動は解禁する、というものです。 選挙権が付与される以上、…

国会前デモは動員か否かが問題では?

先日の国会前デモでは、デモの参加人数について諸説があり、主催者発表の12万人と警察公表の3万人の間では相当の開きがあるため、安保法案反対論者は、”大規模デモ”であったことを印象付けるために躍起になっております。 しかしながら、実のところ、デモの…