時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

政治倫理

普天間爆音訴訟と住民の移動の自由

本日、普天間爆音訴訟の控訴審判決で、国の賠償責任を重く判断する一方で、飛行機の差し止め請求は却下するという判決が下されたそうです。この判決には、普天間基地移設問題にも関連して、議論すべき問題点があると思うのです。 それは、住民に移動の自由が…

菅首相は政務のボイコット?

参議院選挙以来、何故か、民主党政権が存在している”気配”が感じられなくなりました。菅首相は、ひきこもり状態との噂も聞こえますが、政務をボイコットしているのでしょうか。 ボイコットは、組合運動でしばしば”スト”という名で使われる手段ですので、活動…

千葉法相の死刑執行拒否―公職と信念は二者択一

先の参議院選挙における千葉法相の落選の原因は、氏が、法相としての適格性に欠けていたことにも原因があります。何故ならば、法務大臣が、法の執行を拒否するという前代未聞の事態が発生しているのですから。 千葉法相は、死刑制度廃止という、個人的な信念…

管首相スキャンダル―国家公安は機能するのか

週刊誌では、管首相のスキャンダルが報じられているようです。この報道について、心配になることは、日本国では、国家公安活動が機能するのか、どうかということです。 一国の首相ともなりますと、身辺を監視されるのは当然のことであり、しかも、外国人とな…

生方副幹事長事件―”大人の対応”とは?

小沢氏批判を咎められ、一旦は解任の方針で検討された生方氏の処分は、小沢氏の独断で解任は取り消しとなったと報じられています。この決断に、解任の急先鋒であった幹部が、態度を一転し、”大人の対応”と絶賛したそうですが、こうした態度は、”大人の対応”…

小沢氏の人民解放軍司令官発言は背信行為

政治家の基本的な使命とは、自国と自国民を守ることにあります。この使命に照らしてみますと、昨年12月に、小沢氏が胡主席に語ったとされる”私は、人民解放軍の野戦司令官”の発言は、国家と国民に対する背信行為なのではないでしょうか。 政治資金規正法違…

小沢氏の恐怖政治は時代錯誤

アメリカ大統領選挙では、新たに選ばれた大統領が、敗者の側に投票した国民を慰め、勝者の大統領ではなく、全ての国民の大統領となることを誓う、というシーンがしばしば見られます。本日、大統領の当選が確定したウクライナのヤヌコビッチ氏も、国民に向か…

国民の信を失った小沢氏

小沢氏不起訴の報を受けて、氏の続投を歓迎する声も聞かれます。しかしながら、これまでの一連の事件は、小沢氏が、日本国の政治家として信頼に足る人物ではないことを、露わにしたのではないでしょうか。 秘書への責任転嫁、一貫性のない収支報告書の説明、…

小沢氏を擁護する人々の不自然

西松建設事件以来、小沢氏に対する検察の捜査に対して、検察側を非難する声が聞かれてたものです。しかしながら、ここにきて、小沢氏の4億円の出所に関する供述は二転三転しており、これでは、小沢氏自らが、自分が”うそつき”であったことを証明しているよ…

指揮権発動の行くも地獄帰るも地獄

民主党の小沢幹事長は、明日、いよいよ事情検察の聴取に応じると報じられています。この件について、民主党政権は、捜査の行方を見守る方針とのことですが、指揮権発動は、行くも地獄、帰るも地獄なのではないでしょうか。 もし、指揮権を発動するとしますと…

参政権は民主党のものではない

かつて、民主党政権の鳩山首相は、”日本は日本人だけのものではない”と発言し、物議を醸しました。先の衆議院選挙における民主党と民団との地方参政権をめぐる”密約”を考えますと、つい、”参政権は民主党のものではない”と言いたくなるのです。 国政選挙にお…

外国人地方選政権問題―民団の選挙運動は許されるのか?

参政権を持たない在日韓国人の団体が、特定の政党の選挙運動に参加することは許されるのでしょうか。外国人地方参政権法案の背後には、民団による日本国の選挙への介入の問題があると思うのです。 公職選挙法とは、憲法の規定に従って、参政権を持つ国民を対…

陸山会の土地保有は違法行為では

民主党の小沢幹事長の陸山会の土地取引をめぐる事件は、当時の秘書のみならず、本人逮捕をも予測される展開となってきました。検察は、政治資金規正報告書における記載の不備を問題としているようですが、陸山会が不動産を保有していること自体が、やはり、…

頑張れ、東京地検特捜部

民主党の小沢幹事長ほど、疑惑に満ちた人物はいません。にもかかわらず、平然として党務に就いているところに、サイコパスにも似た倫理観の欠如を感じるのは、筆者のみではないはずです。 本日の報道によりますと、資金管理団体である陸山会による4億円の土…

中国化する民主党政権

最近の民主党政権の行動パターンを見たり、発言を聞いていますと、どこか中国に似てきているように思えるのです。 どこが似ているのかと申しますと、平気で、誰から見ても明白な客観的な現実を否定するところです。近年、中国は、空母を建造するなど、急速な…

”ハト耳”は”王の目””王の耳”?

行政刷新会議では、公務員や国民から規制改革についての意見や、行政の”むだ”と不正について内部告発を受け付ける機関として、”ハト耳”なる機関を開設するそうです。”ハト耳”という命名に、ふと、アケメネス朝ペルシャ帝国にあって、大王直属の監察官であっ…

橋下知事―忍耐も政治家の資質

自分の意見に反論されることは、誰もが、不愉快なものです。その上、その批判者が部下ともなれば、頭に血が上るのも理解できます。しかしながら、政治家である限り、橋下知事には耐えていただきたかったと思うのです。 得てして、他者の意見に聞く耳を持たな…

選挙の不正は正当性を揺るがす

先日実施されたイランの大統領選挙において、不正があったとの疑いから抗議運動が発生し、イラン国内は混乱が続いているようです。民主主義国家にあっては、政権の正当性を支えているのは選挙結果に他なりませんので、どの国にあっても、選挙の公正性は厳重…

郵便不正―最大の問題は容易な公文書偽造を許す体制

昨日、障害者団体向け郵便料金割引制度の悪用に関連して、証明書偽造の廉で現職の厚生省局長の方が逮捕されました。本事件で最も問題とすべきは、安易な公文書偽造を許した体制なのではないかと思うのです。 そもそも、郵便不正事件は、厚生省から発行された…

ピースボート―自分のできないことを他人に強いてはならない

ソマリア沖への海上自衛隊の派遣に反対してきたピースボートが、海自の護衛艦に守られていたことが発覚し、その見境ない言行不一致ぶりが非難されているようです。この事件からピースボートが学ぶべき教訓とは、自分のできないことを他人に強いてはならない…

漢字検定―能力判定は公益事業?

公益法人は、その名の通り、公益性が認められているからこそ、税制上の優遇措置などを受けることができます。しかしながら、昨今、問題となっている日本漢字能力検定協会の事業を見てみますと、これは、収益性を目的としたビジネスではないかと思うのです。 …

個人献金にも問題はある

民主党では、小沢代表の西松建設事件が影響してか、企業献金の全廃を主張しているようです。それでは、個人献金であれば問題はないのかと申しますと、そうでもないようなのです。 何故ならば、個人献金の衣を纏った”団体献金”もあり得るからです(共産党の資…

世襲議員の議論は政治家を育てるシステムとセットで

世襲議員の制限案については、自民党でも民主党でも、党内で賛否が分かれているようです。ところで、政治家への入口の議論については、政治家を育てるシステムと合わせて議論すべきではないか、と思うのです。 国民が政治家に望む資質として、政治的能力や信…

政策にもインフォームド・コンセントを

近年にいたって、医療の世界では、インフォームド・コンセントが求められるようになってきました。インフォームド・コンセントとは、治療する側が、治療を受ける側に対して、これから行う治療行為に伴う副作用、代替方法、成功率、コストなどについて十分な…

正義の味方の登場を恐れる中国?

ウルトラマンと言えば、悪役の怪獣をばったばったと倒す正義の味方として描かれています。中国のウルトラマン非難は、子供達が中国製のアニメを見ないとか、暴力を使う、ということが問題として取り上げられているようですが、もう一つ、中国政府は、正義の…

小沢代表は”正義の改革者”なのか?

かつて、民主党の小沢代表が自民党に所属していた頃、小沢氏に対する印象は、どちらかというと旧来の利権型政治家であったとように思います。しかしながら、民主党の代表となってからは、マスコミの宣言力によってか、そのイメージが一変し、”古い政治”を打…

"話し合い主義"という原理主義

北朝鮮によるミサイル発射実験は、”話し合い”、つまり、外交手段が如何に空しいものであるのかを、まざまざと見せつける結果となりました。六カ国協議まで設けて”話し合った”核査察の問題も、ミサイル騒動でうやむやにされてしまいそうです。 ところで、核や…

善意が法秩序を破壊する時

最近、善意というものが、場合によっては暴力よりも破壊力を持つことを発見することがあります。例えば、不法滞在者であるフィリピン人一家の事件についても、この例に入るのかもしれないと思えるのです。 マスコミの報道などを見る限り、フィリピン人一家に…

西松建設事件が氷山の一角なら

小沢一郎民主党代表の第一秘書が逮捕され、地元の事務所にも家宅捜査が行われているそうです。民主党は、早期の解散総選挙による政権交代を目指しているようですが、この状況を見る限り、小沢氏が首相となるのは難しいと言わざるをえません。もし、この収賄…

中川財務相の辞任―閣僚辞任の基準とは?

昨日、G7財務相・中央銀行総裁会議の記者会見における失態を理由に、中川財務相が辞任されました。中山前国交相を始めとして、閣僚の辞任が相次ぐことになりましたが、一連の閣僚辞任劇の共通点は、マスコミの批難報道が先行するということです。 この現実…