時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

社会

入試カンニングが悪である理由

京都大学の受験で発覚したカンニング事件。ネットの掲示板では、監督を怠った大学側が悪いといった、カンニング擁護論の書き込みもあるようです。 オウム事件では、何故、人殺しが悪いのか、ということを、きちんと論理的に説明できない専門家が多数出現し、…

大相撲は真剣勝負で生き残りを

野球賭博に続き、八百長事件で揺れる大相撲。実のことろは、随分と以前から八百長が行われており、今回、携帯の通話記録という動かぬ証拠が見つかって、否定すべくもなくなった、ということのようです。この場に至っては、大相撲が生き残るには、二つに一つ…

官僚の天下り規制はパチンコ業界から

民主党政権は、”政治主導”をスローガンに掲げて、官僚の天下り規制に積極的に取り組む姿勢を示してきました。国益の侵害を考えますと、真っ先に規制の対象とすべきは、パチンコ業界なのではないかと思うのです。 パチンコ業界は、刑法の適用を逃れるために警…

政治主導の”カジノ・パチンコ合法化”は問題

超党派による「カジノ議連」の発足。政治家が、率先してカジノとパチンコを合法化するために活動組織のようなのですが、このような政治主導型の立法は、国民にとりましては、迷惑以外のなにものでもないように思うのです。 カジノの合法化を積極的に求めてい…

パチンコ合法化に反対する気骨のある議員はいないのか

政界では、「カジノ議連」なる超党派の組織があり、国際観光の振興を目的としてカジノ合法化のみならず、パチンコの換金をも合法化しようとしているようです。パチンコを「健全な庶民の娯楽の場」としたいようですが、そもそも賭博は不健全な行為なのですか…

朝青竜引退―異文化相互理解の光と影

昨日のテレビニュースで、モンゴルに帰国した元横綱の朝青竜が、記者会見の席で日本人記者に対してけんもほろろな態度で質問への回答を拒否している姿が報じられていました。この会見を見て感じたことは、大相撲の国際化は、諮らずして異文化相互理解の影の…

”在日朝鮮人”=右翼説を読み解く

高等学校の授業料無償化をめぐって、政府は、朝鮮学校を政策対象から外すという方向で検討しているようです。ところで最近になり、”朝鮮籍”とは、実は、大日本帝国時代の戸籍の名称であることを知り、これまでの疑問が頭の中で氷解することになりました。 近…

尼崎脱線事故―JR西日本のためのささやかな弁明

JR福知山線脱線事故については、事故発生当初からJR西日本に対する厳しい報道姿勢があり、マスコミもこぞって会社責任を追及してきました。昨日も、調査情報の漏えい問題で、袋叩きにあっていました。しかしながら、敢えてJR西日本を弁護するとしますと、事…

不起訴が送る悪しきシグナル

あろうことか、薬物犯として逮捕された酒井容疑者は、不起訴になる可能性が報じられています。もし、このことが事実であるとすれば、日本国の社会に対して悪しきシグナルを送ることになるのではないでしょうか。 それは、(1)覚せい剤を使用しても、微量で…

少子高齢化は民間の工夫で乗り切れる?

近年、少子高齢化が叫ばれるようになり、衆議院選挙のマニフェストでも、民主党が子供手当の支給を約束する一方で、自民党も幼児教育の無償化を掲げているようです。介護ヘルパーや保育園や幼稚園の不足が報じられるたびに、この問題は、民間の工夫である程…

各党は移民政策をマニフェストに

相次いで発生したチベットや東トルキスタンでの弾圧事件は、その原因を、中国政府による強制移住政策に求めることができます。中国政府が、自国民の海外への移民を奨励している節があることを考えますと、我が国においても、国民の移民政策への関心は自ずと…

婚外子と家族制度の崩壊問題

本日、日経新聞の社説にて、婚外子の相続の分が不平等である問題を挙げて、結婚の形態の多様化を求める意見が掲載されていました。しかしながら、婚外子には、二つの形態があり、それを混合して論じることはできないのではないかと思うのです。 上記の社説は…

臓器移植法案―最も不憫な子供達

臓器移植法のA案が衆議院を通過したことで、国民の間でも臓器移植に対する関心が高まっているようです。本法案では、特に小児の臓器売買が起きることが懸念されていますが、もし、指摘されるような事態が起きれば、最も不憫で可哀そうなのは、臓器移植のた…

臓器移植の功罪

昨日、衆議院で可決された臓器移植法A案は、小児の臓器移植への道を開くとして、移植を待つお子さんをもつ親御さんにとりましては、望ましい結果であったかもしれません。その一方で、人が人の命を扱う以上、誰の心も、生涯にわたって重荷を背負うことにな…

天から降るおたまじゃくし―平成の”ええじゃないか”?

最近、全国各地で天からおたまじゃくしや小魚が降ってくるという謎の現象が報告されているようです。この事件で思い出すのは、幕末の”ええじゃないか”です。 慶応3年(1867年)から翌年にかけて、天からお札が降ってきたことが騒ぎの発端となって、ついには…

韓国のネポティズム―多文化共生論の落とし穴

多文化共生論は、”多様な意見や価値観がぶつかり合うことで活力が生まれ、イノヴェーションが起きる・・・”と説明されてきました。しかしながら、昨日、韓国で前大統領が自ら命を絶たれ、その原因が、韓国政治に特有のネポティズムによる利権のしがらみにあ…

新型インフルエンザ―休校措置で感染経路が拡大?

関西で高校生を中心として新型インフルエンザの感染が拡大を続けていることから、4043校もの高等学校が休校措置を取ったと報じられています。この休校措置により、行き場を失った高校生が、外出して街で遊んでいる姿が多数目撃されているとのことですが…

個性は”伸ばす”ではなくて良い方向に”生かす”では?

モンスター・チルドレンに始まり、モンスター・ペアレントやモンスター・ペイシェントまでも登場するようになり、日本列島津津浦浦を、怪獣たちが闊歩しているかのようです。この現象の根底には、戦後の教育の誤りが指摘されておりますが、そのひとつに、個…

調査すべきは創価学会の”総体革命”

創価学会に関する民主党の議員の質問に対して、文部科学省の塩谷大臣は、信仰の自由に鑑みて”調査は困難”との答弁したと報じられているようです。国民が、創価学会について強い不信感を抱いている理由は、その”総体革命”という名の”無血クーデタ計画”にあり…

不法滞在のフィリピン人一家―親子同居の権利は法に優る?

不法滞在で入国したフィリピン人一家は、お子さんだけを日本国に残して両親は本国に帰るという結論に達したと報じられております。法務省の措置については、マスコミを中心に、三人一緒に日本国での滞在を許すべし、という意見も聞かれましたが、この事件は…

警察官タリバン暴言事件―無知は許されないのか

ニュースによりますと、米子市で、病気のために黒頭巾をかぶっていた男子高校生に対して、警察官が”お前はタリバンか”と尋ねたことが暴言とされ、県警本部長が謝罪をするという事件があったそうです。この事件の顛末は、結局、警察側に一方的な非があるとさ…

”検定”という不可解なビジネス

財団法人・日本漢字能力検定協会が文部省の立ち入り調査を受けたことで、これまで、何の疑問も抱いてこなかった検定という制度には、おかしな部分があることに多くの国民が気付くようになりました。最近、様々な分野で”検定ブーム”が起きていますが、ここで…

名誉棄損罪は人権擁護法に変身する?

ブログ炎上について、ここ数日記事を書いてきましたが、最後に、名誉棄損罪が、人権擁護法に姿を変える可能性について考えてみようと思います。 世論調査によりますと、ブログ炎上事件で18人が摘発された事件では、47%の人々が評価すると回答したようで…

ブログ書き込みで名誉棄損なら基準を

昨日に続き、ブログ炎上により18人の人々が名誉棄損罪で摘発された事件について、書いてみようと思います。今日のテーマは、ブログ書き込みによる名誉棄損罪の基準です。 名誉棄損罪とは、判決も迷走しているように、極めて判断が難しい罪の一つです。まし…

ブログ中傷摘発事件の不思議

犯罪を疑われた芸能人の方の訴えにより、ブログに書き込みを行った18人の人々が、書類送検されると言います。しかしながら、この事件には腑に落ちないところがあるのです。 それは、最初に噂を流布したのは誰なのか、ということです。書類送検をされた人々…

成人式を元服式に

毎年、1月の今頃には、全国各地の地方自治体で、成人式が執り行われます。そうして、毎年のように、成人式での新成人たちの傍若無人ぶりが報道されるのです。ところで、自治体主催の従来の成人式には、継続してゆくだけの意義があるのでしょうか。 現在では…

多民族化と国民の知る権利

アメリカでは、昨年の大統領選挙にあって、オバマ次期大統領がマイノリティ出身であることが選挙結果にどのような影響を与えるのか、大いに関心を持たれたものです。移民国家であるアメリカでは、常々、政治家の背景となる人種や民族といった個人的な属性が…

国籍法改正案―DNA鑑定・親権・日本での教育を

参議院で審議されている国籍法改正案については、DNA鑑定の義務化が議論されております。この議論には、”国民”とはいったい誰なのか、という重大な問題も潜んでおります。そこで、国民を識別する基準を大凡挙げてみると、以下のようになります。 1.日本人…

国籍法改正を急いではいけない理由

国籍法改正案に対する国民の不安の声が高まりを受けて、法務省では、親子関係の確認を厳格化する方針と伝えられています。しかしながら、やはり、この法改正は、あらゆる角度から見ても、拙速であると思うのです。 マスメディアが大きく取り上げないこともあ…

国籍法改正案と認知の問題点

国籍法改正案が、まだまだ議論を要する問題であることは、認知の制度からも指摘することができます。それは、DNA鑑定の要件化に関わる問題でもあり、また、親子とは何か、という根本的な問題にも関わります。 本問題が持ち上がってから、認知について、”意思…