時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

#その他政界と政治活動

陛下のお気持ち発表-象徴天皇とは

本日午後三時より、天皇陛下による「お気持ち」が、ビデオを通して発表されました。事前に懸念されていたよりも、内容としては穏やかものでしたが、婉曲な表現ですので、解釈の幅が広がる余地もありそうです。 近代化を急ぐ時代の要請を受けて、明治以来の天…

不透明過ぎる”生前退位”問題

天皇陛下の生前退位問題につきましては、情報の出所もはっきりせず、宮内庁長官が否定するに至っては、国民の多くも訝しく感じていたのではないかと思います。こうした中、本日、陛下自身が、自ら「お気持ち」を表わすとの報道がありました。 この問題、その…

英離脱確定-市場混乱の原因の一つは”賭け”では?

23日にイギリスで実施された国民投票では、国民がEUからの離脱を選ぶという結果に終わりました。当初の予測とは逆の結果となったわけですが、離脱の報を受けて、市場は大混乱に見舞われています。 市場混乱の要因として、国民投票の不透明性や英銀行のポジ…

舛添知事の調査結果公表-司法の抜け道?

本日、世論の疑惑に応えるべく、舛添東京都知事が任命した弁護士による調査委員会の調査結果が公表されました。舛添知事を交えた調査結果の会見では、”不適切”や”是正が必要”といった言葉はあったものの、違法性は否定されています。 舛添知事は、報告書の”…

ソフトバンクに日本の農地市場が掌握される?

本日、日経新聞を読んでおりましたところ、ソフトバンクが”農地支援”に参入するとの記事が目に入りました。この記事から読み取れるのは、日本国の農地市場が、一民間企業に掌握されてしまうリスクです。 ソフトバンクが、マイファームと共同出資で8月に開始…

NHKの”平壌放送局化”-北朝鮮は制裁対象国

昨日、北朝鮮において36年ぶりに朝鮮労働党の党大会が開催された件について、日本国でも、マスコミが大きく取り上げております。特にNHKのニュースなどでは、アナウンサーが、まるで”平壌放送”の如く、嬉々として報じているのです。 NHKの異常なまでの興奮状…

納得できない東住吉事件の再審

大阪府の東住吉区で小学6年生の女子が焼死した保険金殺人事件。有罪判決を受けて服役していた実母と義父(内縁の夫)が再審を訴えてきた事件ですが、今般、大阪地裁の再審で検察が有罪の求刑を見送ったことから、無罪となる可能性が高いと報じられておりま…

再利用可能な仮設住宅の導入を

東日本大震災に際しては、5万戸ほどの仮設住宅が建設されました。今般の熊本地震に際しても、公営住宅への入居の他に、必要戸数に合わせて仮設住宅が設置される予定なそうです。 住宅を喪失された方々については、仮に、賃貸住宅や集合住宅などに空きがある…

住宅喪失問題-防ぐべきは”災害難民”化という事態

中東のシリアでは、内戦による破壊により住む場所を失い、多くの住民が難民となってヨーロッパに大量に流入する事態が発生しております。実のところ、東日本大震災や熊本地震の被害状況からも明らかなように、日本国もまた、別の原因、即ち、大規模災害によ…

熊本地震からの教訓-広域災害時協力体制の構築を

これまで、九州では、巨大地震の発生が観測されてこなかったことから、災害への備えが十分ではなかったとする指摘があります。今般の熊本地震は、九州であれ、日本列島は災害という宿命から逃れられないことを、改めて実感させられることとなったのです。 自…

災害対応-舛添知事で大丈夫?

断続的な地震発生を特徴とした熊本地震では、建物倒壊のリスクから、多くの住民の方々が、避難所で過ごさざるを得ない状況となりました。昨日頃から、ようやく規模の大きな地震が減少し、帰宅される方も増えているようです。このまま収束に向かうことを願う…

避難所の工夫-屏風の発想

熊本地震では、避難所での生活を余儀なくされている方々が、数万人にも上ると報じられております。早期の地震活動の沈静化が望まれるところですが、避難生活が長引きますと、精神的な疲労による健康被害も予測されます。 テレビ等の映像を見ますと、避難所で…

熊本城修復を復興のシンボルに

気象庁によりますと、熊本地震は、未だに収まる気配が見えないそうです。今夜からは大雨も予報されており、被災地での被害拡大が心配されるところです。 地震の被害は文化財にも及んでおり、日本三大名城の一つとして優美な姿を誇っていた熊本城も、修復に最…

熊本地震-被災者の方にも物資配布を手伝ってもらっては

今月14日から発生している熊本地震の特徴は、震源地が活断層に沿って移動するために、収束時期をなかなか掴めないところにあります。とりわけ、最初に震度7を記録した地震の後に、本震とされるマグニチュード7.3の地震が発生し、安心して自宅に戻った方々が…

熊本地震-頼りになるのは自衛隊

日本国憲法制定以来、自衛隊は、肩身の狭い思いをさせられてきました。憲法第9条を盾に自衛隊の存在自体を否定する左派勢力によって、激しいバッシングを受けてきたからです。 この否定的な態度の結果が、村山政権下で発生した阪神淡路大震災において、自衛…

東京五輪エンブレム問題-欠如している審査員の審美眼

東京オリンピック・パラリンピックのエンブレム問題は、一難去ってまた一難の様相を呈しております。佐野氏の起用による”パクリ問題”の反省から、公募制を導入したものの、最終案として残った4作品とも、今一つの出来栄えばかりなのです。 A案は日本国の伝…

NHK『刑事フォイル』から読み解く第二次世界大戦の真実

毎週日曜日の9時にNHKのBSプレミアムで放映されていた『刑事フォイル』が、昨日、終了しました。楽しみにしていただけに残念なのですが、このドラマから、日本国内では知られていない第二次世界大戦の真相を垣間見ることができます。 『刑事フォイル』は、…

心配なSHARPと東芝-中国を信頼して大丈夫?

経営悪化から去就が注目されておりましたSHARPと東芝は、二転三転の末、中国系企業を売却先に選択しました。SHARPを買収した鴻海は、台湾企業とはいえ、中国との結びつきが強く、両者とも、産業の高度化とブランド獲得を目指す中国の”国策買収”に取り込まれ…

高浜原発停止の仮処分-司法の越権行為

先日、大津地方裁判所は、高浜原子力発電所の原子炉第3号機と第4号機を停止する仮処分を決定いたしました。原告団を支援する人々の中には、”三権分立が働いた”として絶賛する声も聴かれますが、逆なのではないかと思うのです。 権力分立の意義とは、立法、…

STAP細胞のミステリー

STAP細胞をめぐる騒動は、理研による再実験と調査報告等を経て、ES混入説で一先ず落ち着きを見せていましたが、先日、小保方氏の著書が出版されたことにより、謎が謎を呼ぶ展開となっております。氏の著書を読んだわけではないのですが、聞き伝わる情報によ…

シャープが合意したとは思えない鴻海案

昨日、電撃的に、シャープが台湾の鴻海から巨額の支援融資を受け、鴻海傘下に入るとのニュースが報じられました。しかしながら、時間が経過するにつれて、雲行きが怪しくなっております。 鴻海の郭会長は、”優先交渉権”をシャープ側から取得したと述べていま…

新聞の奇妙な議論設定は言論統制?

新聞を読んでおりまして、最近、奇妙な現象に気が付きました。一紙だけの現象ではありませんので、マスメディアに対して、根底のことろで何らかの圧力がかかっているのでしょうか。 新聞では、しばしば、ある特定のテーマ、特に昨今話題となっているテーマを…

菊池元信者への逆転無罪判決こそ不自然

昨日、都庁郵便物爆発事件で起訴されていた菊池元オウム真理教信者に対し、東京高等裁判所が、裁判員裁判による一審の無罪を覆し、無罪を言い渡すという奇妙な判決がありました。この無罪判決、司法の非常識が際立っております。 報道によりますと、菊池元信…

TPPのISDS条項より怖い最高裁判所の違憲審査

TPPをめぐっては、民間企業に出訴権を認めたISDS条項が、一外国企業の訴えによって国内法の改正が迫られる内政干渉のルートとして懸念されてきました。この懸念については、解決機関の選択肢を広げるといった方法で緩和が図られましたが、国内の最高裁判所…

東住吉事件-再審でも有罪となる可能性

マスコミでは、無罪確定のような報道ぶりですが、東住吉事件は、再審が認められても有罪判決が出る最初のケースとなる可能性があるのではないかと思うのです。 刑事事件では、状況証拠だけでは有罪判決を出すのは難しいとの指摘があり、兎角に、動かぬ証拠と…

疑問に満ちた東住吉事件の再審決定

今から20年ほど前、大阪市東住吉区では、小学6年生の女児が自宅の車庫での出火により、隣接する風呂場で死亡する事件が発生しました。この事件、犯人は、同居していた母親とその内縁の夫とされていましたが、先日、再審が決定されたことから、俄かに注目を…

NHK受信料義務化の意図は?

総務省では、NHKの受信料のあり方等を議論するために、有識者会議を設けるそうです。自民党の小委員会では、既に、受信料の義務化が提言されておりますが、その狙いは、一体、どこにあるのでしょうか。 契約自由の原則からしますと、公共放送とはいえ、NHKと…

感動的な自衛隊の救出活動

古来、日本国は、度々水害に見舞われてきたとはいえ、昨日から本日にかけて関東から東北地方を襲った激しい雨は、各地の河川の氾濫を招き、洪水の恐ろしさをあらためて見せつけることとなりました。被害に遭われた方々には、心よりお見舞い申し上げますとと…

司法試験漏洩事件-司法の堕落は自己否定

先日、司法試験において、あってはならない事件が発生しました。司法試験の問題作成に当たった考査委員の一人である明治大学法科大学院の教授が、教え子に問題を漏洩したという事件です。 こうした事件が発生しますと、氷山の一角ではないか、と疑われるもの…

SEALDs最大の弱点-正体を明かせないこと

一昨日の国会前デモに参加したとされるSEALDs。”一般の学生”を装いながら、共産党系の団体である民青を主力とする説が有力です。 マスコミ各社の報道を見ますと、SEALDsの背景については組織的背景を示唆する憶測記事もないわけではありませんが、その正体…